Power Automateの使い方とよくある課題を解説!業務自動化をスムーズに進めるコツ

Power Automateの使い方とよくある課題を解説!業務自動化をスムーズに進めるコツ

5月 2, 2025

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記事の監修

S.Sato

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S.Sato

マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Office Specialist Master 2007、ITパスポートなど

2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。

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目次

日々のルーチン業務を効率化したいと考え、「Power Automateの使い方を調べている方」も多いのではないでしょうか。自動化ツールとして注目されているPower Automateですが、初めて使う際は設定方法やエラー対応に戸惑うこともあります。

たとえば、メールの自動仕分けやファイルの保存といった作業を自動化できる一方で、「トリガーが動作しない」「フローが途中で止まる」といった課題に直面することもあります。正しい使い方や対処法を理解しておくことで、こうしたトラブルも未然に防げます。

この記事では、Power Automateの基本的な使い方から、導入時によくある課題とその解決策、業務を効率化するための実践的なポイントまでをわかりやすく解説します。これから導入を検討している方や使い始めたばかりの方は、ぜひ参考にしてください。

Power Automateとは?

Power Automateは、Microsoftが提供するクラウドベースの業務自動化ツールです。日常業務における繰り返しの作業や手動処理を自動化することで、業務効率の向上と人的ミスの削減を実現します。専門的なプログラミングスキルがなくても直感的に操作できるのが特徴で、Microsoft 365の各種アプリ(Outlook、Excel、SharePoint、Teamsなど)とスムーズに連携できる点が強みです。

たとえば、受信したメールの添付ファイルを自動的に特定のフォルダに保存したり、社内フォームの申請を受けて承認フローを自動化したりといった使い方が可能です。複数のクラウドサービスとも連携でき、SlackやGoogle Drive、Salesforceなどとも接続できます。

Power Automateの最大の魅力は、専門知識がなくても業務自動化が始められる手軽さにあります。 また、業務の生産性を高めながら、社内全体のデジタル活用を推進するツールとしても効果的です。

企業規模や業種を問わず幅広く活用されており、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の第一歩として注目されています。

Power Automateの基本的な使い方

Power Automateの基本的な使い方

Power Automateを活用するためには、「フロー」と呼ばれる処理の流れを設計・作成することが基本です。このセクションでは、フローの概念、作成の基本ステップ、そして具体的な業務自動化の例を紹介します。

Power Automateのフローとは?

Power Automateで中心となるのが「フロー」と呼ばれる一連の処理手順です。フローは、「トリガー(起点)」と「アクション(動作)」の組み合わせで構成されます。

フローには主に以下の3種類があります。

①クラウドフロー:Web上のアプリやサービスと連携し、自動処理を実行します。たとえば、メール受信をトリガーにしてファイルを保存する処理など。

②デスクトップフロー:Power Automate Desktopを使って、ローカル環境での操作(Windowsアプリなど)を自動化します。

ビジネスプロセスフロー:業務プロセス全体を定義し、関係者の手順をガイドするフロー。営業やサポート業務の標準化に向いています。

業務の種類や目的に応じて、最適なフローの種類を選ぶことが重要です。

フロー作成の基本手順

Power Automateのフロー作成は、Webブラウザ上の画面操作で直感的に行えます。以下が基本的な流れです。

1.トリガーを選択
 「何がきっかけでフローを開始するか」を設定します。たとえば「Outlookでメールを受信したとき」「SharePointにファイルが追加されたとき」などが代表的です。

2.アクションを追加
 トリガーの後に実行する動作を設定します。たとえば「添付ファイルを保存」「通知を送信」「Excelにデータを記録」など、用意されたテンプレートを選ぶことで簡単に追加可能です。

3.条件分岐やループを設定(必要に応じて)
 処理を分けたい場合は、条件式(if)や繰り返し処理(for each)も設定できます。

4.保存・テスト・公開
 作成したフローを保存し、テスト実行で動作を確認した上で本番運用に移行します。

初めての方でも、テンプレートを活用することで短時間で基本的なフローを作成できます。

Power Automateでできる業務自動化の例

Power Automateは、日々の定型業務を自動化するのに最適です。以下はよく使われている業務自動化の例です。

メール自動処理
 特定の件名のメールを自動で振り分けたり、添付ファイルを指定フォルダに保存したりできます。

ファイル管理の自動化
 SharePointやOneDriveに新しいファイルが追加された際に、自動で分類・名前変更・バックアップを行う処理が可能です。

社内通知の自動化
 TeamsやOutlookと連携し、進捗状況の更新や承認依頼を自動通知することで、コミュニケーションの効率を向上させます。

フォームデータの集計
 Microsoft Formsで集めたデータをExcelに自動で蓄積し、Power BIと連携してリアルタイムで可視化することも可能です。

ルーチンワークを自動化することで、作業時間を大幅に削減し、ミスの防止にもつながります。

Power Automate導入時によくある課題と解決策

Power Automate導入時によくある課題と解決策

Power Automateは直感的に使えるツールですが、導入初期には予期せぬトラブルや設定ミスにより、フローがうまく動作しないケースがあります。このセクションでは、実際によくある課題とその具体的な解決策を紹介します。

トリガーが動作しない

フローの実行が始まらない場合、最も多い原因はトリガーの設定ミスです。たとえば、「新しいメールを受信したとき」などのトリガーが期待通りに反応しないことがあります。

主な原因と対策は以下の通りです:

  • 接続設定の確認
    使用しているアカウントの認証情報が無効になっていたり、接続が切れている場合があります。接続を再認証することで解決できることが多くあります。
  • 対象条件の見直し
    トリガーが発動する条件(例:件名に特定の語句が含まれる)を絞りすぎていると、実行されないことがあります。条件を緩和することでトリガーが動作するようになります。
  • フロー実行履歴の確認
    管理画面からフローの実行履歴を確認し、トリガーが検出されているかどうかをチェックすることが有効です。

トリガーが反応しない場合は、接続・条件・履歴を順に確認するのが基本的な対応方針です。

フローが途中で停止する

フローが途中で止まってしまう場合、アクションのエラーや処理条件の不備が原因となることがあります。

  • 接続先サービスのエラー
    OutlookやSharePointなど連携先のサービスに一時的な不具合やアクセス権の問題があると、フローが停止します。ログイン権限やAPIの制限も確認が必要です。
  • アクションの設定ミス
    たとえば、保存先のフォルダが存在しない、対象のファイルが見つからない、といった設定ミスがあると処理が止まります。
  • 条件分岐の処理漏れ
    条件分岐で「Yes」「No」のどちらにも処理が定義されていない場合、フローが空振りするような形で途中終了します。

フローの途中停止は、アクション設定や条件分岐の見直しで解消できることが多く、実行履歴の詳細を確認することで原因の特定が可能です。

エラーメッセージへの対応

フローの実行時に表示されるエラーメッセージには、具体的な原因が示されていることが多くあります。ただし、エラーメッセージが英語で表示される場合もあり、対処方法が分かりづらいと感じることもあるでしょう。

  • メッセージ内容の読み取り
     「Bad Gateway」や「Unauthorized」などのメッセージは、外部サービスとの通信エラーや認証エラーを示しています。対処には接続設定やアカウントの権限を再確認する必要があります。
  • 公式ドキュメントやコミュニティの活用
     Microsoft公式のエラーメッセージ一覧や、Power Automateのコミュニティフォーラムには、同様のエラーとその解決策が多数掲載されています。
  • 失敗時のアクションを設定する
     エラーが発生した場合に自動で通知を送ったり、代替処理を実行する設定(「失敗時の構成」機能)を追加することで、運用リスクを軽減できます。

エラーは完全に防ぐことは難しいですが、メッセージの読み解き方と適切な対応方法を知ることで、安定したフロー運用が可能になります。

Power Automateを活用した業務効率化のポイント

Power Automateを活用した業務効率化のポイント

Power Automateを導入するだけでは、業務効率化の効果を十分に引き出すことはできません。実際の運用を見据えた設計とチームでの適切な活用が、成果を大きく左右します。ここでは、業務効率を高めるための2つの重要な視点を紹介します。

フローの最適な設計方法

効率的なフロー設計は、日々の運用負荷を軽減するだけでなく、エラーの発生を防ぐためにも重要です。以下のポイントを意識することで、実用的かつ安定したフローを構築できます。

  • 処理内容を明確にする
    フローの目的や処理の範囲を事前に整理し、シンプルな構成を心がけます。業務プロセスの中で「何を自動化すべきか」を明確にすることで、過剰な設計や無駄なアクションを避けられます。
  • テンプレートの活用
    Microsoftが提供する既存のテンプレートを活用することで、構築の手間を削減しつつ、動作の信頼性も高めることができます。初心者でも、ベースとなるフローからカスタマイズを進めやすくなります。
  • 再利用しやすい構成にする
    複数部門で同じ処理が必要になるケースもあるため、再利用性を意識した構成にすることもポイントです。変数や共有コネクタを活用すると、他のフローにも応用が利きます。

設計段階での工夫が、その後のトラブル防止と効率的な運用につながります。

チームでの活用方法

Power Automateは個人利用だけでなく、チーム単位や部門全体での業務効率化にも大きな効果を発揮します。複数人で運用する際は、以下のような工夫が効果的です。

  • 共有フローの設定
    作成したフローを他のメンバーと共有することで、チーム全体で同じ自動化を活用できます。管理者が権限設定を適切に行うことで、誤操作を防ぎながら共有環境を構築できます。
  • 通知・アラートの活用
    フロー実行結果を自動でTeamsやメールで通知する設定を加えることで、情報共有がリアルタイムに行えるようになります。承認プロセスなどの業務スピードも向上します。
  • 管理とドキュメントの整備
    複数のフローが同時に運用される場合は、構成内容や用途をまとめたドキュメントを作成しておくと便利です。誰が何のフローを使っているかが可視化され、属人化の防止にもつながります。

チーム全体での運用を見据えた仕組みづくりが、Power Automateの効果を最大化する鍵です。

Power Automateをさらに活用するには?

Power Automateをさらに活用するには?

基本的なフローが使いこなせるようになったら、次のステップとしてより高度な自動化や組織全体での活用に目を向けることが重要です。このセクションでは、応用的な活用法や運用面の強化、外部サービスの活用について解説します。

より高度な自動化を実現する方法

Power Automateでは、条件分岐や繰り返し処理をはじめとする基本機能に加えて、より複雑な業務に対応する高度な機能も用意されています。

  • AI Builderとの連携
    Power AutomateはAI Builderと連携することで、OCRを使った帳票の自動読み取りや、顧客からの問い合わせをAIが分類して自動処理する、といった高度な自動化が実現可能です。
  • Power Platformとの連携
    Power Appsと組み合わせることで、ユーザーがデータを入力するカスタムアプリを構築し、その入力に応じてフローを動かすといった活用もできます。さらに、Power BIと連携すれば、データ収集から分析までを自動化できます。
  • 外部サービスとの統合
    SalesforceやGoogle Workspace、Slackなどの他社サービスともAPI連携が可能です。複数の業務ツールを横断して処理を自動化することで、より一貫した業務フローを構築できます。

業務に合わせてPower Automateを柔軟に拡張することで、自動化の範囲と精度を飛躍的に高められます。

セキュリティと管理体制を強化する

業務の中核に関わる処理をPower Automateで自動化する場合、セキュリティやガバナンスの強化も欠かせません。

  • 承認フローの活用
    機密性の高いデータや、上長の確認が必要な処理には、承認ステップを挟むことが推奨されます。Power Automateには標準で承認アクションが用意されており、柔軟に設定できます。
  • 利用状況の可視化と監査
    Microsoft 365の管理センターを利用すれば、フローの作成状況や実行履歴を可視化できます。問題のあるフローを早期に発見し、対処する体制を整えることが重要です。
  • ロールベースのアクセス制御
    部署や役職に応じて使用できるフローや接続先サービスを制限することで、情報漏えいや誤操作のリスクを低減できます。

業務効率化と安全性を両立するには、管理ルールの整備とツール活用が欠かせません。

Power Automate導入支援サービスの活用

より効果的な自動化を進めるには、社内だけで完結させるのではなく、外部の専門支援を活用するのも一つの選択肢です。

  • フロー設計の最適化
    業務内容を整理した上で、どの部分をどのように自動化すべきかを第三者の視点で提案してもらうことで、ムダのない設計が実現します。
  • 社内向けトレーニングの提供
    社員全体のスキル底上げを目的としたハンズオン研修や、部門ごとの活用講座など、利用定着を促進する支援も効果的です。
  • 運用保守のアウトソーシング
    フローが増えてくると管理・保守の負担も増加します。継続的なサポートを外部に委託することで、安定運用を維持しやすくなります。

専門パートナーの力を借りることで、Power Automateの導入効果を最大限に引き出すことが可能です。

まとめ

業務効率化のためにPower Automateを導入しても、設定や運用でつまずくケースは少なくありません。特に初めての導入では、トリガーやアクションの理解不足が原因でフローが正しく動作しないこともあります。

基本的な使い方を押さえ、よくある課題への対処法を知ることで、スムーズな運用が可能になります。さらに、チームでの活用や管理体制の整備により、自動化の効果を最大限に引き出せます。

まずは身近な業務から自動化を始め、必要に応じて導入支援サービスの活用も検討してみてください。

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