

記事の監修
T.Higashi
記事の監修
T.Higashi
マネジメント&イノベーション事業部 開発部/1グループ グループリーダー
資格:MCP認定資格(AZ-305,MS-102,SC-100 他)/プロジェクトマネージャなど
2017年に文系の大学卒で新卒入社して以来、製造業向け基幹システムのシステム保守や機能追加開発、サービスデスク(テクニカルサポート)を中心にIT業界の業務に従事。
趣味は高校時代の吹奏楽部の経験からエレキベースの演奏や音楽鑑賞。
たまに運転免許証といった本人確認書類を紛失することがある。
Contents
目次




そんな便利な仕組みで、これらのお悩みを簡単に解決することができます!
それでは、具体的な方法を見ていきましょう!
1. 事前準備
自動化をスムーズに進めるために、以下の準備を丁寧に行いましょう。
1-1. CSV ファイルの準備
連携したいデータが記述された CSV形式のファイルを用意します。
今回は以下のような販売記録の CSV ファイルを連携させることを想定します。
1行目はヘッダー行(列名)、2行目以降が実際の販売データです。
ORDER001,ノートパソコン,1,120000,2025-04-15
ORDER002,マウス,2,2500,2025-04-16
ORDER003,キーボード,1,8000,2025-04-17
ORDER004,モニター,1,35000,2025-04-18
ORDER005,USBメモリ,3,1500,2025-04-19
1-2. 販売記録を蓄積する Excel ファイルの準備
SharePoint Online 上に、販売記録を蓄積するための新しい Excel ブックを作成します。
重要: この Excel ブック内に、CSV ファイルのデータを受け入れるためのテーブル書式を設定します。そうすることで、Power Automate がデータを追加できるようになります。
テーブルの列ヘッダーは、CSV ファイルのヘッダー行と同じに設定します。

1-3. CSV ファイルを配置する SharePoint フォルダの準備
SharePoint Online のドキュメント ライブラリ内に、CSV ファイルをアップロードするための専用のフォルダを作成します。このフォルダに新しい CSV ファイルが追加されたことをトリガーとして、Power Automate のフローが自動的に実行されます。

2. Power Automate 作成
いよいよ、Power Automate で自動連携の仕組みを作っていきましょう。以下の手順に従ってフローを構築します。
フローの全体像:

2-1. トリガー:ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)
事前準備で作成したフォルダにCSVファイルが配置されたらPower Automateを起動させるため、SharePointアクションの「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)」をトリガーに設定します。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
サイトのアドレス | 事前準備でフォルダを作成したSharePointサイト |
ライブラリ名 | 事前準備でフォルダを作成したドキュメントライブラリ (「ドキュメント」しか選択できない場合は、「ドキュメント」を選択して問題ありません。) |
フォルダー | 事前準備で作成したフォルダ (省略可能ですが、指定を推奨します) |
2-2. ファイルコンテンツの取得
配置されたCSVファイルの中身をPower Automateで読み込み、後続のアクションで利用できるようにするため、コンテンツの取得を行います。
トリガーのアクションは、ファイルのプロパティしか取得していないので、明示的にコンテンツを取得する必要があります。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
サイトのアドレス | 事前準備でフォルダを作成したSharePointサイト |
ファイル識別子 | 「ファイルが作成されたとき (プロパティのみ)」の動的なコンテンツである「識別子」 |
コンテンツ タイプの推測 | はい |
2-3. 文字列に変換
取得したCSVファイルは、Excelのテーブルに入るように加工が必要です。
そのままの状態では加工が行えないため、取得したファイルの中身を文字列に変換する必要があります。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
入力 | string(body(‘ファイル_コンテンツの取得’)) ※stringは文字列に変換する関数です。 |
2-4. 改行で分割
前のステップで文字列に変換したファイルの内容を、改行で分割し1行ごとにひとまとまりのデータにします。
そのために改行コードを区切りとして、各行を独立したデータとして扱えるリストにする必要があります。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
入力 | split(<「文字列に変換」の出力結果>, decodeUriComponent(‘%0A’)) ※splitは指定の文字で分割する関数で、decodeUriComponent(‘%0A’)は改行コードを意味します。 |
2-5. ヘッダーをskip
改行で分割してできたCSVの行データのリストから、ヘッダー行を処理対象外とするために1行目をスキップします。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
入力 | skip(<「改行で分割」の出力結果>, 1) |
2-6. それぞれに適用する
ヘッダー行を除外したCSVの各データ行に対して、後続の処理(行の列への分割、Excelへの行追加)を1つずつ繰り返し実行します。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
Select an output from previous steps | <「ヘッダーをskip」の出力結果> |
2-7. 「,」で分割
「それぞれに適用する」ループで現在処理しているCSVの1行を、カンマ (,) を区切りとして、各項目の値(列データ)に分解します。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
入力 | split(items(‘それぞれに適用する’), ‘,’) ※items(‘<ループアクション名>’)は、ループ処理の中で、現在処理している1行のデータを意味します。 |
2-8. 表に行を追加
「「,」で分割」アクションで分解されたCSVの1行分の列データ(各項目の値)を、指定されたExcelファイルの特定のテーブルに新しい1行として書き込みます。

パラメータ名 | 値 |
---|---|
場所 | 事前準備でフォルダを作成したSharePointサイト |
ドキュメントライブラリ | 事前準備でフォルダを作成したドキュメントライブラリ (「ドキュメント」しか選択できない場合は、「ドキュメント」を選択して問題ありません。) |
ファイル | 事前準備で作成したExcelファイル |
テーブル | 事前準備で作成したExcelファイルのテーブル |
DateTime 形式 | ISO 8601 |
注文ID | outputs(‘<「ヘッダーをskip」の出力結果>’)[0] |
製品名 | outputs(‘<「ヘッダーをskip」の出力結果>’)[1] |
数量 | outputs(‘<「ヘッダーをskip」の出力結果>’)[2] |
単価 | outputs(‘<「ヘッダーをskip」の出力結果>’)[3] |
注文日 | outputs(‘<「ヘッダーをskip」の出力結果>’)[4] |
3. 動作確認
3-1. 確認
CSVファイル:

販売記録テーブル:

3-2. CSV配置

3-3. 結果の確認

CSVファイルを自動でExcelに転記できました。
定型的なデータ転記作業にかかる時間を劇的に削減し、入力ミスを防ぎ、常に最新のデータをExcelに集約することが可能になります。
削減できた時間は、データ分析や戦略立案など、より価値の高い、本来集中すべき業務に活用できるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
Power Automateを使えば、このような日々の「めんどくさい」「時間がかかる」と感じていた作業も、効率的で信頼性の高い自動化プロセスに変換することができます。
ぜひこのフローを参考に、あなたのデータ処理を自動化する第一歩を踏み出してみてください!

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