

記事の監修
S.Sato
記事の監修
S.Sato
マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Office Specialist Master 2007、ITパスポートなど
2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。
Contents
目次
会議のたびに議事録を手作業で作成するのは、時間も手間もかかり、内容の正確さにも不安が残る…そんな悩みを抱えていませんか。特にリモートワークが増えた現在、情報共有や記録の質を保つことはますます重要になっています。
そこで注目されているのが、Microsoft Teamsの「文字起こし」機能です。会議中の音声を自動でテキスト化し、議事録作成や情報の見える化を効率的にサポートします。リアルタイムの可視化や発言者ごとの記録、他ツールとの連携による自動処理など、業務改善につながる機能が充実しています。
この記事では、Teamsの文字起こし機能の特徴や使い方、活用例、注意点までをわかりやすく解説します。会議運営や業務の効率化を見直したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
Microsoft Teamsとは
Microsoft Teamsは、企業のコミュニケーションや業務の進行を支えるために導入が進んでいる代表的なツールです。テレワークやハイブリッドワークの普及を背景に、多くの組織が業務の効率化や情報共有の強化を目的として活用しています。本セクションでは、Microsoft Teamsの基本機能と近年とくに注目されている「文字起こし機能」について紹介します。
ビジネスコミュニケーションの中核ツール
Microsoft Teamsは、Microsoftが提供する統合型コラボレーションツールであり、企業におけるビジネスコミュニケーションの中核として広く活用されています。チャット、オンライン会議、ファイル共有、タスク管理など、業務に必要な機能が一つのプラットフォームに統合されている点が最大の特長です。特にリモートワークやハイブリッドワークが一般化する中で、地理的に離れたメンバー同士でも円滑に連携できる仕組みとして、高い評価を得ています。
Microsoft 365との連携性も高く、OutlookやSharePoint、OneDriveとの統合により、業務情報の一元管理とリアルタイムの共同作業が可能となります。また、社内外のユーザーとの会議をシームレスに実施できる柔軟性も、グローバルなビジネス展開を支える重要なポイントです。
近年注目される「文字起こし機能」
Teamsに搭載されている「文字起こし機能(transcription)」は、近年特に注目を集めている機能の一つです。この機能は、オンライン会議の内容をリアルタイムでテキスト化するもので、会議中の発言をそのまま文字として記録できるため、議事録作成や会議後の情報共有において大きな効果を発揮します。
従来、会議の内容を手作業で記録するには時間と労力がかかり、聞き漏れや認識違いが発生するリスクもありました。Teamsの文字起こし機能を活用すれば、こうした課題を解消し、誰が何を発言したのかを正確に把握できるようになります。結果として、情報の透明性が向上し、意思決定のスピードやチーム全体の生産性にも好影響をもたらします。
現在では、多くの企業がこの機能を業務効率化の一環として取り入れ始めており、会議運営の在り方そのものを見直すきっかけとなっています。
Teamsの文字起こし機能とは

Microsoft Teamsに搭載されている文字起こし機能は、会議の内容を効率的に記録・共有する手段として注目を集めています。発言をリアルタイムでテキスト化し、会議後の議事録作成や確認作業を大幅に効率化できるのが特長です。業務の正確性やスピードを求める現場にとって、有効な支援機能の一つと言えるでしょう。このセクションでは、文字起こし機能の概要と、その精度や対応言語について紹介します。
自動文字起こしの概要
Teamsの文字起こし機能は、会議の音声を自動的に認識し、リアルタイムで文字情報として表示・保存する仕組みです。会議が進行する中で、各発言者の発言が画面上にテキストで表示され、会議終了後には文字起こしデータをダウンロードや検索することも可能です。会議に参加できなかったメンバーに内容を共有したり、重要な発言を後から確認したりする場面で非常に有効です。
また、発言者の名前を識別しながらテキスト化する機能もあり、「誰が、いつ、何を話したか」が明確になる点が特長です。これは、議事録の正確性を高め、後工程の業務(確認・承認・情報展開など)をスムーズにします。録音だけでは不十分なケースにおいて、文字情報による記録はより実務的な価値を提供します。
対応言語と精度の特長
Teamsの文字起こし機能は、複数の言語に対応しており、日本語も正式にサポート対象となっています。ただし、使用環境や話し方、音声の明瞭度などによって、文字起こしの>認識精度には差が出る場合があります。たとえば、発言が重なった場合や、専門用語が多い会話、早口での発言は誤認識の原因となることがあるため、活用時には一定の注意が必要です。
精度を高めるためには、クリアな音声環境(マイクやスピーカーの性能含む)や、話者の発音の明瞭さ、会議中の発言ルールの整備が効果的です。また、Microsoftは継続的にAI音声認識エンジンの精度向上に取り組んでおり、利用環境が整えば高精度な文字起こしも十分に実現可能です。
さらに、Teamsでは会議の録音機能と連動して文字起こしを行うため、録音とテキストを組み合わせて確認できるのも大きな利点です。テキストのみでは判断が難しい部分でも、音声と併せて確認することで正確性を補完できます。
Teamsの文字起こし機能の利用条件
Microsoft Teamsの文字起こし機能を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 対象となるMicrosoft 365プラン
文字起こし機能は、以下のMicrosoft 365プランで利用可能です。
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Microsoft 365 Business Premium
- Office 365 Enterprise E1、E3、E5
- Microsoft 365 Enterprise E3、E5
- Office 365 A1、A3、A5(教育機関向け)
- Microsoft 365 F3(フロントラインワーカー向け
ただし、Microsoft Teams Essentialsや無料版のTeamsでは、文字起こし機能は利用できません。
2. 管理者によるポリシー設定
文字起こし機能を有効にするには、Microsoft Teams管理センターまたはPowerShellを使用して、以下のポリシー設定を行う必要があります。
- 会議の録音と文字起こしを許可するポリシーの設定
- ユーザーまたはグループに対するポリシーの割り当て
これらの設定により、組織内のユーザーが会議中に文字起こし機能を利用できるようになります。
3. ストレージとアクセス許可の設定
会議の録音ファイルや文字起こしデータは、OneDrive for BusinessまたはSharePoint Onlineに保存されます。そのため、これらのサービスが有効になっており、適切なストレージ容量とアクセス許可が設定されていることが必要です。
4. その他の要件
- 会議の開催者が録音と文字起こしを開始する必要があります。
- 参加者全員が録音と文字起こしに同意する必要があります。
- 一部の機能(例:インテリジェント要約)は、追加のライセンス(例:Teams Premium)が必要です。
これらの条件を満たすことで、Microsoft Teamsの文字起こし機能を効果的に活用し、会議の記録や情報共有の効率化を図ることができます。
※プランの詳細は、Microsoft公式サイトを参照。
Teams文字起こし機能の業務活用例

Teamsの文字起こし機能は、単なる会議記録にとどまらず、業務の効率化・情報の透明化・社内ルールの標準化といった多方面での効果が期待できます。ここでは、実際の活用シーンに即した3つの代表的な活用例を紹介します。
議事録作成の自動化
会議の議事録を手作業で作成する場合、録音の聞き直しや発言の要約に多くの時間と労力がかかります。Teamsの文字起こし機能を活用すれば、会議中の発言をリアルタイムで自動的にテキスト化できるため、記録作業が大幅に簡素化されます。
さらに、発言者ごとの識別が可能なため、「誰が、いつ、どのような発言をしたか」を正確に記録することができ、後からの確認や整理がしやすくなります。こうした自動化は、会議の回数が多い現場や複数部署との連携が求められるプロジェクト運営において特に有効です。
会議の見える化と情報共有の高速化
Teamsの文字起こし機能を活用することで、会議の内容を視覚的に可視化することが可能になります。特に、参加できなかったメンバーへの情報展開や、意思決定の根拠となる内容の共有が、スピーディかつ正確に行えます。
発言内容は自動保存された文字起こしデータとして参照可能であり、必要に応じて検索・抜粋も行えます。これにより、「聞いた・聞いていない」といった情報の齟齬が減り、組織全体のコミュニケーションの質が向上します。
また、文字起こしは会議終了直後に閲覧可能となるため、議事録の取りまとめや報告資料の作成にもすぐに着手でき、対応のスピードが向上します。
属人化の防止と業務の標準化
従来、会議記録や業務の進行状況は、特定の担当者に依存するケースが多く、属人化による情報の分断や引き継ぎの困難さが課題となっていました。Teamsの文字起こし機能を導入することで、会議内容を組織全体で共有・蓄積できる環境が整い、業務の標準化が進みます。
また、過去の会議内容を時系列で確認できるため、同じ議題の繰り返しや判断ミスの防止にもつながります。ナレッジの蓄積と活用が進めば、新任担当者の早期立ち上がりや、業務継続性の確保にも大きな効果が期待できます。
Teams文字起こし機能を活かすための工夫と注意点
Microsoft Teamsの文字起こし機能は非常に便利ですが、精度や安全性を高めるためには、いくつかの工夫と配慮が必要です。業務に活用するうえで押さえておきたいポイントを、3つの視点から整理します。
精度を高めるための音声環境の整備
文字起こしの精度は、音声入力の品質に大きく左右されます。特に会議室での利用や複数人が同時に話す場面では、マイクの性能や配置によって認識結果に差が生じます。推奨される対策としては、以下のようなものがあります。
- 高性能な集音マイクやノイズキャンセリング機能付きの機器を使用する
- 話者ごとにマイクを用意する、または会議室用スピーカーフォンを導入する
- 発言者はクリアな声量と明瞭な発音を意識する
- 同時発言を避け、1人ずつ話すルールを設ける
これらの工夫により、誤認識や聞き取り不能な箇所を大幅に減らすことが可能となります。
誤変換や認識ミスへの対策
現時点の自動音声認識技術では、固有名詞や専門用語、早口の発言などで誤変換が発生することがあります。これを防ぐには、次のような対策が有効です。
- 会議前に共有資料などで用語を事前提示し、話者も内容を意識して話す
- 会議後に文字起こしデータをチェックし、必要に応じて手動で補正する体制を整える
- Power Automateなどのツールと連携し、文字起こし結果の整形や分類を自動化する
誤変換をゼロにすることは困難ですが、確認プロセスを取り入れることで、十分に業務活用可能な精度を保つことができます。
プライバシー・セキュリティ対策
会議の内容には、社外秘情報や個人情報を含む場合もあるため、文字起こしデータの取扱いには注意が必要です。Teamsでは、文字起こしデータがOneDriveまたはSharePointに保存されるため、以下の点を確認しておくことが重要です。
- 保存先のアクセス権限が適切に管理されているか
- ファイル共有の範囲が限定されているか(社内限定など)
- 情報管理ポリシーやガイドラインに沿った運用がなされているか
- 会議参加者に録音・文字起こしの実施を明示し、同意を得ているか
セキュリティ面の配慮を徹底することで、安心して機能を活用できる環境を整えることが可能です。
他ツールとの連携でさらに広がる活用法

Microsoft Teamsの文字起こし機能は、それ単体でも十分に有効ですが、他のMicrosoft 365ツールと組み合わせることで、さらに幅広い業務活用が可能になります。特に、Power AutomateやOneNote、SharePointとの連携は、記録・整理・共有を自動化・効率化する上で非常に効果的です。
Power Automateによる文字起こしデータの自動処理
Power Automateは、Microsoftが提供する業務プロセスの自動化ツールです。Teamsの文字起こしデータを活用する際にも、このツールを組み合わせることで、会議終了後の作業を自動化できます。
たとえば以下のような処理が可能です。
- 会議終了後、文字起こしファイルを指定のフォルダに自動保存
- 特定のキーワードを含む発言を抽出し、関係者に自動で通知
- 議事録テンプレートに沿って、文字起こしを成形・整理
- 保存されたテキストをPower BIやFormsと連携して分析に活用
これにより、人手によるルーチン作業を削減できるだけでなく、情報の取りこぼしや属人的な管理のリスクも軽減されます。特に会議頻度の高い部署や複数チームが関わるプロジェクトでは、大きな効果を発揮します。
OneNoteやSharePointとの連携
文字起こしされた内容を整理・蓄積するには、Microsoft OneNoteやSharePointとの連携が非常に有効です。これらのツールと組み合わせることで、記録の再利用性や検索性が大幅に向上します。
- OneNoteに文字起こし内容を貼り付けて、カテゴリ別に整理
- 会議ごとのノートページを自動作成し、議事録・アクションアイテムを一元管理
- SharePoint上に会議記録用のライブラリを構築し、組織横断的なナレッジ共有を実現
また、SharePointを通じて社内ポータルサイトに文字起こしデータを連携・公開すれば、関係者がいつでもアクセスでき、情報の透明性と即時性を高めることが可能です。
これらのツール連携をうまく活用すれば、文字起こしを単なる記録ではなく、ナレッジ資産として社内に蓄積・活用する基盤を整えることができます。
業務効率化を成功させるには社内への定着がカギ

Teamsの文字起こし機能は、導入するだけでは真価を発揮しません。業務に根づかせ、継続的に活用される仕組みづくりが必要です。そのためには、社内での展開方法や運用ルールの整備、必要に応じた外部支援の活用がポイントになります。
社内への展開とルールづくり
どれほど便利なツールでも、現場で正しく使われなければ効果は限定的です。まずは、文字起こし機能の目的と利点を全社的に共有し、具体的な活用方法を示すことが重要です。
特に次のような取り組みが有効です。
- 導入初期段階での操作研修や利用マニュアルの整備
- 会議の冒頭で録音・文字起こしの実施をアナウンスする運用ルール
- 議事録フォーマットの統一や保存場所の標準化
- 文字起こし内容を確認・活用する担当者の明確化
こうした体制を整えることで、ツールの活用が現場に定着しやすくなり、効果の最大化につながります。また、定着後も利用状況を定期的に確認し、フィードバックをもとに改善を加えていく運用体制の構築も大切です。
外部パートナーによる支援も選択肢に
ツールの導入・活用に関するノウハウが社内に不足している場合は、外部パートナーの支援を活用することも有効な手段です。とくに、Microsoft 365の導入・運用に精通したパートナーであれば、自社の業務フローに最適化された活用方法を提案してもらえます。
たとえば以下のような支援が期待できます。
- Microsoft Teamsの活用支援や運用設計
- 業務プロセスに沿った文字起こし活用モデルの構築
- セキュリティポリシーや社内ガイドラインの策定支援
- ユーザー教育や定着化のサポート
こうした支援を受けることで、社内リソースの負荷を抑えつつ、短期間で実用的な活用環境を構築できるようになります。業務効率化を成功させるには、「導入」だけでなく、「定着」と「運用改善」までを見据えた体制づくりが欠かせません。
まとめ
多くの企業では、会議の記録や議事録作成に多くの時間と労力がかかり、情報共有の遅れや属人化といった課題が生じています。特に、業務のスピードと正確性が求められる現場では、こうした非効率なプロセスが生産性の低下につながることも少なくありません。
こうした課題に対し、Microsoft Teamsの文字起こし機能は有効な解決策となります。会議の音声をリアルタイムでテキスト化し、発言者ごとに記録できることで、議事録作成の自動化や情報の透明化が実現できます。また、Power AutomateやSharePointなどの他ツールと組み合わせることで、さらに業務全体の効率化が可能になります。
業務改善を本格的に進めるには、社内での定着とルールづくり、そして必要に応じた外部の支援も視野に入れることが重要です。Teamsの文字起こし機能を効果的に活用し、自社の働き方を一歩先へ進めてみませんか。

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