記事の監修
S.Sato
記事の監修
S.Sato
マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Offiece Specialist Master 2007、ITパスポートなど
2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。
この記事では、エクセルで顧客管理を行うメリットとデメリット、その解決方法。そして、エクセルの代わりとなるCRMシステムについて解説します。
Contents
目次
エクセルで顧客管理を行うメリット
エクセルで顧客管理を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
デジタルなので編集やバックアップが容易
エクセルで顧客管理を行うと、データがデジタル化されるので編集やバックアップなどが容易になります。アナログな方法、たとえばノートに情報を手書きするなどのやり方だと記入の手間がかかるのはもちろん、書き損じへの対応やデータのバックアップに非常に手間がかかることになるでしょう。
デジタルであれば、データの修正やバックアップを少ない手順で簡単に行うことができます。アナログにはアナログならではのメリットもありますが、一般的にデジタル化によるメリットはそれを上回ります。
四則演算や関数など、幅広い管理ができる
エクセルで顧客管理を行うと、四則演算や関数などを活用し幅広く柔軟な管理を行うことができます。アナログで四則演算を行う場合、該当のデータを参照して手計算や計算機などを使い解を算出し、それを記載する手間がかかります。
一方、エクセルであればアウトプットするセルに数式を入力するだけです。この方法の便利なところは自分で計算を行う必要がないことに加え、参照元の値を変更したら自動的に結果も変わるという点です。
また、関数を使うことで四則演算を超えた複雑な処理も可能となります。関数とは「複数の処理をまとめたもの」であり、活用すれば簡単な入力で合計値や平均値などを算出できます。
四則演算や関数を使うことで、幅広く利便性の高い管理に寄与してくれるでしょう。
定型処理の自動化も可能
エクセルを活用すれば、定型処理の自動化も可能です。エクセルの「マクロ」という機能を使えば一定の処理を記録させることができ、記録された処理をボタンで実行することができます。
定型処理を自動化することで、大幅な業務効率化に繋がるでしょう。また、VBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語を用いることで、より細かな制御も行えます。
エクセルで顧客管理を行うデメリット
エクセルで管理業務を行うメリットは上記の通りですが、では逆にどのようなデメリットが考えられるのでしょうか。次に、エクセルで顧客管理を行うデメリットについて解説します。
専用フォーマットを作成し管理する必要がある
エクセルは非常に汎用性の高いソフトですが、それだけに業務に活用するには一工夫が必要です。具体的には、下記のようなものが挙げられるでしょう。
- 値をどこに入力するのかを決める
- 入力された値をどのように扱うのかを決める
- 決められた仕様に基づいて演算や処理が行われるよう設定する
- 使いやすいよう見た目を整える
エクセルを業務に活用するには、目的を果たすために整えられたフォーマットをまず作成しなければなりません。どのようなフォーマットを作るかは業務の特性や仕様によりますが、「フォーマットを考える手間」と「作成する手間」、そして「管理する手間」がかかることは覚えておいた方がよいでしょう。
作られたフォーマットが適切に管理されてない場合、「作成者がいないとトラブルに対応できない」などの問題が発生する可能性があります。
データの管理がファイルベースで行われる
エクセルで顧客管理を行うデメリットとして、データの管理がファイルベースで行われることも挙げられます。ファイルというのはPCの画面上で視認できる一つ一つのアイコンのことであり、そこに入力作成されたデータが保管されています。
データの管理がファイルベースで行われると、どのような問題があるのでしょうか。おおむね、下記のようなものが考えられます。
- 編集や複製が容易
- 一元管理が難しい
作成されたファイルは通常視認できる場所に置かれるため、容易に編集や複製が可能です。それをメリットと捉えることもできますが、逆に言うと「改ざん・漏洩しやすい」ことにもなるでしょう。
また、ファイルベースで管理されているデータは相互の連携が難しく、参照元が分散してしまうことも考えられます。データの値がそれぞれのファイルで異なる場合、どの値を参照すればいいのかが分かりづらくなってしまい、判断の正確さが損なわれてしまう恐れもあるでしょう。
リアルタイム性に乏しい
エクセルのような形でデータをファイルベースで管理することにより、リアルタイム性に難が生じます。「実データの値が更新される度に都度入力すればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、大元のファイルを最新の値にしても、コピーされたものは古いままというケースもあります。
データがファイルベースで管理されている以上、いつ誰がどのバージョンのファイルを持っているかが分かりづらくなってしまいます。それにより、「同じデータを参照してるのに異なる値を見ているため話が噛み合わない」のような例も生じるでしょう。
エクセルのデメリットを解消するには?
では、エクセルのデメリットを解消するにはどうすればよいのでしょうか。主に、下記のような方法が考えられます。
フォーマットのマニュアルを準備する
作成したフォーマットのマニュアルを準備しておくことで、フォーマット管理の手間を補うことができます。エクセルの問題点として、「作成したフォーマットを業務活用する場合、担当者不在の際にトラブル対応が難しくなる」というものがありました。
事前にマニュアルを整備しておくことで、担当者が不在の際にも対処が可能となります。また、フォーマットの仕様や構成を細かく記載しておけば、将来的なアップデートなどにも役立つのではないでしょうか。
ファイル更新のルールを設ける
ファイル更新のルールを設けることで、データの同一性やリアルタイム性を担保することができます。エクセルはファイルベースでデータの管理を行うため、「複数人が同じ内容の異なるファイルを所持している」といったことが起こりえます。
そうなると、データの同一性を保つのが難しくなってしまうでしょう。同一性を担保するために、たとえば「ファイルは常にサーバーに置かれているものを使い、ダウンロードは禁止」などのルールを設けることが考えられます。
加えて、ファイルの更新時間を決めておけば、最新のデータを参照しやすくなります。自社の各業務に適したルールを設けることで、エクセルのデメリットを補うことが可能です。
顧客管理システムを導入する
顧客管理システム(CRM)を導入することで、ワンランク上の顧客管理が可能です。顧客管理システムはエクセルほどの汎用性はありませんが、顧客管理に特化して作られているため、エクセルが抱えているデメリットに悩まされなくなることが期待できます。
顧客管理システムを導入した後はほぼシステムで顧客管理を行う形になりますが、場合によってはエクセルの活用も考えられます。もしエクセルを継続して使いたい場合は、連携が可能なシステムを選びましょう。
エクセルの代わりとなるCRMとは?
それでは、次にエクセルの代わりとなるCRMについてより詳しく見ていきたいと思います。CRMには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
顧客管理を効率化するためのシステム
「顧客管理システム」と名付けられているだけあって、CRMは顧客管理を効率化するためのシステムです。CRMを導入することで顧客に関するさまざまな情報やデータを適切に管理・分析することができるようになり、機会損失を防げるでしょう。
CRMには、主に下記のような機能が搭載されています。
- 顧客情報管理
- マーケティング分析
- プロモーション管理
これらを活用して売上や収益の最大化を狙うのが、CRMの目的です。
CRMを導入するメリット
では、CRMの具体的なメリットについて見ていきましょう。CRMを活用すれば、事業に下記のような利点が生じます。
業務効率化や生産性の向上
CRMを適切に活用すれば、業務効率化や生産性の向上が見込めます。顧客情報のシステム管理により必要な情報を瞬時に抽出することもできますし、それらを分析にかけて顧客の購買熱量をある程度推測することも可能です。
そして、それに沿ったきめ細やかなアプローチを行うことで、顧客を購買に導くのがCRMの役割となります。こういった複雑な処理をシステムがある程度オートマティックに行ってくれるため、従来のような難しい管理からは解放されるわけです。
「今までより少ない労力で今までより大きな成果を得る」ことが、業務システム全般に求められることでしょう。
属人性の排除による対応品質の均一化
CRMを適切に活用すれば、業務の属人性を排除し対応品質の均一化が見込めます。なぜ業務の属人性が発生するのかというと、選択判断に人の手が必要となるからです。
優秀な営業マンとそうでない営業マンでは、所有しているノウハウや情報、顧客分析手法など、何から何まで異なります。そういった知見をシステムに集約し、場合によっては選択判断までをシステムが行うことにより、業務の属人性をカットできるわけです。
CRMには下記のような製品がある
では次に、有名なCRM製品をいくつかご紹介します。
Salesforce
Salesforceは、セールスフォース・ドットコムがリリースしているCRMプラットフォームです。顧客情報を一元管理し、それぞれに合わせたマーケティングを行い成約率の向上を目指します。
Dynamics365
Dynamics365は、MicrosoftからリリースされているCRM・ERPプラットフォームです。セールスやマーケティング、カスタマーサービスなど、必要に応じて幅広い分野で活用できるのが特徴です。
Dynamics365 Salesとは?
それでは、最後にDynamics365 Salesについて解説させて頂きます。Dynamics365 Salesを活用することで、自社の顧客管理を大きく効率化できるでしょう。
MicrosoftがリリースしているCRMアプリケーション
Dynamics365 Salesは、前述したMicrosoft Dynamics365の営業向けCRMソリューションです。Dynamics365にはさまざまな分野で活用できるパッケージが用意されていますが、デジタルセールス向けに開発されているのがSalesという位置づけです。
「セールス向けなのであればCRMではないのでは?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし、顧客管理を行う目的が「収益や利益の最大化」である以上、CRMは営業およびマーケティング手法の一環とみなすこともできるのではないでしょうか。
営業業務に特化しているDynamics365 Sales
営業業務に特化しているDynamics365 Salesでは、下記のようなことが可能です。
- 顧客とデジタルで繋がり、適切なエクスペリエンスを提供できる
- 取得した情報を一元的に管理し、顧客の状態をスコアによって把握する
- 営業・マーケティング・プロセスの自動化
テクノロジーや時代背景により、現代ではオンラインので販売促進をメインに据えることが求められています。Dynamics365 Salesを活用することで、各種業務のデジタル化を大きくサポートしてくれるでしょう。
導入すれば顧客管理・営業業務に大きな効果が
Dynamics365 Salesを導入することで、顧客管理や営業業務に大きな効果をもたらしてくれます。定型業務の自動処理はもちろん、活動の優先順位づけやホットリードの抽出、対話テクニックの提案などを行ってくれるため、ある程度の選択判断をシステムに委ねることが可能です。
それにより、業務の属人性排除も見込めます。誰が携わってもある程度均一的な成果を出せるようになれば、収益や利益の最大化とともに、ワークフローの単純化や売上予測の立てやすさなども期待できるでしょう。
まとめ
CRMを導入することで、営業・マーケティング業務に大幅な効率化を促せます。適切な導入および活用を行い、利益の最大化を目指しましょう。
Microsoftを導入して
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