マーケティングオートメーションで自社ファンの自動増幅は可能か?

2020年11月5日

MARKETING AUTOMATION DOESN’T HAPPEN AUTOMATICALLY (マーケティング自動化は自動的に起こりません)

マーケティングオートメーション(MA)とは

マーケティングオートメーション(MA)とは、ツールやソフトウェアを用いることでマーケティング活動を可視化・自動化することです。  

MAツールは作業を自動化するだけではなく、データ分析に基づき、匿名の中から興味関心度の高い見込顧客であるリードを抽出し、顧客起点に立ったインバウンドマーケティングの実施をより容易にすることで、成果の高い営業や開発に結びつくマーケティングをサポートします。  

この記事では、MAツールについて、そして、リードマネジメントでの活用方法について解説します。  

マーケティングを自動化するとは?

マーケティングテクノロジーの成長

個人のニーズが多様化し、これまで個人を対象にしていた個人経営者など小規模経営者だけでなく、中小企業から大手企業まで、マスマーケティングから個のニーズに対応したスモールマスマーケティングにシフトしています。  

こういった背景の中で、顧客理解をベースとした体験理解につながるマーケティングを行うために、デジタルマーケティングに代表されるマーケティングテクノロジーが日々進化しています。

しかし、そんな勢いのある成長が、マーケティングテクノロジーカオスマップとも揶揄されてしまう程に、その数は急速に伸びていく一方で、マーケター一人が処理できる量を凌駕する状況になりつつあります。  

顧客接点は旧来の訪問、電話、ハガキなどのオフラインマーケティングから、メール、メルマガ、SNS、テレビCMに加え、動画配信などのオンラインマーケティングまで多岐にわたり、年代や、顧客の好みに合わせて様々です。 

個のニーズに合わせた適切なアプローチ方法の選択や効果の測定・管理を行う煩雑さを感じるケースも増えてきているのではないでしょうか。

顧客ニーズの多様化とマーケティング手段の乗数の処理が求められてしまうと、人の処理能力を超えた負担増の過渡期を経験してしまうかもしれません。  

顧客起点へ

また、日々マーケターが血の滲むような努力をもってしても効果を発揮しにくい状況が発生するようになりました。

情報化社会と言われる現代、人一人が1日に接する情報量は、江戸時代のその人の一生分と表現されることもあるように、広告数では約3,000件に接していると言われています。

これら情報量の多さがストレス源とも指摘されるようになり、そして逆説的に受取手が情報の受け取り方、情報の選択肢を狭めてしまうことにも繋がっています。  

新規顧客の発掘は、状況的にも確率論的にもこれまでにないほど難しい状況下にあり、そのような中でシズル感のある共感や信頼体験を通じた興味関心づけが求められています。

日々変わり続ける個のニーズに応えながら、開発や営業などの他の事業部署と連携し、新しい技術やサービス、商品の価値を世に広める顧客起点に立ったマーケティングの役割がこれまで以上に高まっている証といえるのでしょう。  

パーソナライズサービスへの対応

商品やサービスのターゲット市場にはたくさんのリード(Lead、見込顧客)がひしめいています。

ターゲット市場の中で製品を認知するよう興味関心付を行うことで、購入検討する人を掘り出し、購入へとつなげていきます。 

マーケティングでは職人技のように顧客のこういった購買行動の段階ごとに適切なアプローチを選択し、様々な手法が用いられています。

そこで、データに基づいてリードの行動分析を行い、有望なリードを抽出し、段階に応じた適切なアプローチがかけられるよう、テクノロジーを用いて自動化するよう基本設計し、万単位での「One to Oneマーケティング」を可能とするMAツールが開発され導入・活用する企業が増えてきました。  

MAツール導入の検討

MAツール導入の効果

MAツール導入の主な効果は次の3つとされています。

(1) 業務効率化  

(2) マーケティング投資の効果可視化・最適化  

(3) 営業生産性向上  

MAツール活用により、反復作業を自動化し業務効率を上げることができます。

そして、 PDCAサイクルを回しながら、広告やキャンペーン、ブログ、DMなどそれぞれの活動ごとの効果をKPI(Key Performance Indicator)などで検証することでプロセス管理を行い、よりよいマーケティングを取捨選択していくことが可能です。

テストと分析を繰り返し、自社のターゲットに最適なマーケティングを実施することで、匿名の中から興味関心度がマッチしたリードを拾いあげ、リードナーチャリング(Lead Nurturing、見込顧客育成)により、効果的な営業活動へとつなげることができます。  

MAツールでできること

MAツールには、マーケティング活動を支える多くの機能が備わっています。代表的なものに次のような活用方法があります。  

(1)見込顧客のデータに基づくマーケティング部署と事業部署との連携  

キャンペーンの計画を立てる前に、営業チームとマーケティングチームの間で調整し、それぞれの役割と期待を明確に特定することにも役立ちます。そして、双方のチームの連携をとることで、目標達成に繋げることができます。  

(2)コンテンツ開発における戦略立案支援  

コンテンツ戦略は最も重要な部分の1つです。新規および既存のコンテンツは、購入者の段階ごとにバケット化しておくことも大切です。これにより、訪問者またはリードがどの購買行動の段階に入っていても、タイムリーで関連性のあるコンテンツを提供することができます。  

(3)リードスコアリング  

リードスコアリングは、各リードの状況を把握するために使用します。  

(4)ワークフロー開発  

MAツールを用いてワークフローを設計した場合、自動配信などは複雑な処理を少ない操作で行うため、影響が広範囲に及ぶことあります。エラーの発生など、稼働する前に十分に検討してテストしておく必要があります。  

(5)キャンペーン効果の拡大  

ターゲットを絞ったソーシャルメディアやWeb上でのプロモーションは、すべてインバウンドマーケティングの重要な要素です。ランディングページなど良いコンテンツでターゲットのウェブ訪問頻度を高めましょう。  

(6)進行中のキャンペーンの最適化  

MAツールを用いてほぼ単独でキャンペーンが実行できるようになったら、キャンペーンを定期的にチェックして、物事がスムーズに進行し、目標を達成するペースになっていることを確認することが重要です。

MAツール導入準備 

MAツールを導入する企業が増える一方、MAツールの利用に難しさを感じている企業もあるようです。

マーケティング自動化の要素と英語サイトで調べると、検索の最上位に表示されたサイトで「MARKETING AUTOMATION DOESN’T HAPPEN AUTOMATICALLY (マーケティング自動化は自動的に起こりません)」という皮肉にも聞こえる言葉で始まっていました。

世界中で多くの企業が同じように感じているように、自動化は設計のための準備とテストと修正の繰り返しを必要とし、スムーズな運用までには十分な準備期間を要します。  

導入準備1 目的・目標を明確にする  

導入準備2 自社顧客ペルソナ・カスタマージャーニーマップに基づくリード母数を把握する  

導入準備3 コンテンツを用意する  

導入準備4 MAツール研修  

導入準備5 運用設計と効果の測定方法を設定する  

MAツールで使うデータとは

MAツールでは、次のような顧客データや行動トランザクションデータを用いてセグメンテーションを行い、購買行動に関するリアルタイムの分析を行います。

データには、次のようなものを用います。自社顧客ペルソナに基づき、適切なデータベースを作成しましょう。  

 ・顧客の性格  

 ・人口統計学的属性  

 ・地理学的属性  

 ・心理学的属性  

 ・消費者の反応  

 ・顧客接点  

 ・製品のメリット  

 ・購買行動  

MAツール知名度ランキング

SATORIが約1,000人を対象に実施した「MAツールの利用実態調査」の結果、5位までの結果は以下のとおりです。  

 1位 SATORI(サトリ)  

 2位 Marketo(マルケト)  

 3位 Oracle Marketing Cloud(オラクル・マーケティング・クラウド)  

 4位 Hubspot(ハブスポット)  

 5位 Pardot(パードット)  

調査期間:2019年5月10日~5月17日  

調査対象:全国の20代~50代男女/1,101人(※1)  

調査方法:インターネットリサーチ(※2)  

※1:事前のスクリーニング調査にて、マーケティング・オートメーションという言葉を「内容まで詳しく知っている」もしくは「聞いた事があるが詳しく知らない」と回答した層を対象として実施。  

※2:株式会社ジャストシステム/Fastask(ファストアスク)を利用  

組織のレジリエンス強化:Microsoft Dynamics 365活用例

SFAとCRMの効果的な融合

MAツールに焦点を置いて紹介をしてきましたが、マーケティングをサポートするMAツールの他にも、営業をサポートするセールス・フォース・オートメーション(SFA:営業支援システム)や顧客関係管理(CRM)をうまく組み合わせて使うことで、効果的なリードマネジメントを行うことができます。  

データ分析に基づくアクション選択を行うため、顧客との関係で発生するストレスを軽減したリードナーチャリングにて、良好な関係の中長期的な構築がサポートされ、情報収集と分析、ターゲティング、アクション、購買や商談成立などの収益に対する費用対効果(ROI)の確認までを管理し、収益の向上につなげることができます。

オランダ・ユニセフ協会の事例

オランダ・ユニセフ協会(UNICEF:国連児童基金)はテクノロジーの進展とともに時代に合った変化に対応するため事業実績を上げ、ドナーもまたサポーターとしてリアルタイムに事業に関与することができるように、Microsoftとパートナーを組み世界標準のソリューションテクノロジーを採用しました。 

Dynamics 365 Marketingを活用してキャンペーンの効果測定を行い、また未整備であった蓄積された活動記録をデータ化しセグメントで分類することで、リポーティングが容易となり、またこれら記録やデータをシステム的に分析することで業務では気が付かないことを知ることができます。

ドナーやステークホルダーの反応を行動分析し、彼らの期待をユニセフの活動に反映するなど、360度方向にインサイトを捉えユニセフの活動に統合しています。

PANDORAの事例

パンドラは、世界に広がる約9,500の販売拠点を通じて、90か国以上で美しいジュエリーを販売しています。

同社はグローバルコミュニケーションの確立、運用の合理化、ビジネス分析とインサイトを効率化するためにMicrosoftが提供するクラウドサービスを使用し、自社サービスの向上に取り組んでいます。ジュエリーを選ぶ理由や美しさの定義は人それぞれ異なり、デザインのみならずそれを身につけて表現したい「自分」や「信念」にも関わってきます。 

パンドラはDynamics 365のERP(企業資源計画)およびCRM(顧客関係管理)ソリューションを活用し、最新のシステムを取り入れることより静的データをインタラクティブな情報に置き換え、アジャイルに顧客インサイトを獲得し、遠隔での共同作業を最新化し、データ主導の意思決定を通じて、小売業者、フランチャイズ加盟店などを巻き込み、これまでにない顧客体験を提供することで競争力を高めています。

まとめ

普段の業務を自動化する際には、事前準備として無意識に行なっていることを棚卸しして、可視化する作業も大切になってきます。

部下を育てるように、コンピュータで自分のコピー的な存在を作るように設計することで、より効率的にそして広範囲に及ぶリードへのアプローチを可能にしましょう。