記事の監修
S.Sato
記事の監修
S.Sato
マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Offiece Specialist Master 2007、ITパスポートなど
2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。
なお、価格などプラン内容に関しては2023年11月時点のものであることをご了承下さい。
Contents
目次
Microsoft 365とは?
まずは、Microsoft 365の概要について確認していきましょう。Microsoft 365の導入を検討している方は、ぜひこちらの内容を確認してみてください。
サブスクリプション版のMicrosoft Office
Microsoft 365とは、Officeソフトのサブスクリプションサービスです。Microsoft 365では、個人での利用からビジネスシーンまで、様々な場面で使用されているOfficeソフトを、常に最新の状態で利用することができます。
Microsoft Officeといえば、買い切り版のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?実際に、現在も買い切り版のOfficeソフトは販売されています。
しかし、買い切り版のOfficeソフトの場合は、バージョンのサポートが修了した場合にセキュリティにリスクが発生するなどの危険性もあるため、Officeソフトの利用を検討されている場合は、Microsoft 365の利用をおすすめします。
Microsoft 365に含まれるアプリ
Microsoft 365では、最新のOfficeソフトをサブスクリプションで利用することができます。Microsoft 365で利用できるアプリケーションの一例は以下の通りです。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- OneNote
- Outlook
- One Drive など
個人での使用やビジネスシーンでも活用できる様々なアプリケーションをサブスクリプション形式で利用することが可能です。
いずれも最新のバージョンを使用することができるため、従来の買い切り版を購入するよりもお得であることが分かります。
現在もOfficeソフトの買い切り版を購入することは可能ですが、買い切り版は月額がかからない代わりに初期費用が高くなるなどのデメリットがあります。Microsoft 365と買い切り版のどちらを購入するか迷っている場合は、それぞれの特徴についてよく理解してから導入を検討すると良いでしょう。
Microsoft 365を導入するメリット
次に、Microsoft 365を導入するメリットについてお伝えします。ご家庭や会社へのMicrosoft 365の導入をご検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ファイルの共有を容易に行える
Microsoft 365のメリットの1つが、ユーザー間のファイルの共有を容易に行えるという点です。
従来であれば、複数人間でファイルの共有を行う場合は、それぞれにメールを送信するなどの手間が必要でした。しかし、Microsoft 365であれば、ユーザー同士で直接ファイルの共有が可能となるため、その都度メールを送信する負担をなくすことができます。
このようなMicrosoft 365の「共同編集機能」を使用すれば、ファイルを共有するだけでなく、メンバー間の編集点をリアルタイムで確認することができるなど、業務の効率化に役立てることも可能です。
共同編集機能では、アクセス制限や閲覧だけの許可を設定することも可能なので、情報の漏えいや思わぬトラブルを未然に防ぐこともできます。
業務の無駄を減らし、効率を高めたいとお考えの方は、ぜひMicrosoft 365の共同編集機能を使用してみてください。
常に最新のバージョンを利用できる
Microsoft 365では、常に最新のバージョンのアプリケーションを使用することができます。
ご存知の方も多いかと思いますが、買い切り版のOfficeソフトにはアップグレードオプションがありません。新しいバージョンがリリースされたとしても、旧バージョンを使い続けなければなりません。
もちろん、旧バージョンのOfficeソフトもそのまま使用し続けることはできますが、最新バージョンのファイルとの互換性が悪くなってしまうこともあり、業務で使用していたレイアウトが突然崩れてしまうといったトラブルも考えられます。
場合によっては、セキュリティ上のリスクに晒されることもあるでしょう。
買い切り版のOfficeソフトは、パソコンを購入したときにデフォルトで搭載されていることも多いため、ユーザーが多いことも事実ですが、様々なトラブルを予防するには、最新のバージョンのOfficeソフトを使用することが推奨されています。
複数の端末で使用可能
Microsoft 365は、1つのアカウントの契約で複数端末での使用も可能となっています。具体的には、1アカウントあたり、パソコン5台+モバイル端末5台+タブレット端末5台、合計で最大15台の端末でアプリをダウンロードすることができます。
複数の端末で利用することが可能なので、出張などの事情で社内で業務に取り組めないときも、モバイル端末に切り替えて、仕事を続けることができるようになります。
買い切り版のOfficeソフトが1つのアカウントにつき、2台の端末までしか対応できないことを考えると、やはりMicrosoft 365はコストパフォーマンスの高いサービスであることが分かります。
パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンなど、様々な端末で操作することが予定されている場合には、やはりMicrosoft 365の導入がおすすめです。
セキュリティ性が高い
Microsoft 365はセキュリティ性が高いサービスであることでも知られています。具体的にMicrosoft 365が実践しているセキュリティ対策は以下の通りです。
- 不正アクセス対策
- データ漏えいの防止
- 複数のデータセンターでの管理
- データ転送時は暗号化
- サイバー攻撃からの防御
- アクセス制限機能
このように、Microsoft 365では様々な情報セキュリティ対策が行われているため、社内の情報に関わる内容も、安心して共有・編集することができます。
さらに、プランによってはアプリケーション制御やデータのコピペ禁止等の機能を追加することができるため、より高度なセキュリティ対策をお求めの方にもおすすめです。
Microsoft 365にはどんなプランがあるのか
Microsoft 365には、どのようなプランが用意されているのでしょうか。まずはMicrosoft 365の各プランについて比較および解説します。
大まかにホームユースと業務ユースに分けられる
Microsoft 365のプランは、大まかにホームユースと業務ユースに分けられます。ホームユースはいわゆる「家庭向けプラン」のことであり、個人が自宅で利用することが想定されています。
一方、業務ユースは法人向けのプランです。企業がそれぞれのオフィスで利用することが前提となっており、それに沿ったサービスが用意されています。
どちらを利用するのかは、個人か法人かで決めれば問題ないでしょう。
家庭向けプランの概要
Microsoft 365の家庭向けプランには、下記のコースが用意されています。
- Microsoft 365 Personal
- Office Home & Business 2021
Microsoft 365 Personalは年間¥14,900で利用することができ、WordやExcel、PowerPointといった一般的なアプリを利用することができます。加えて、1TBのOneDriveやAI搭載のクリエイティブツール、高度なセキュリティやアップデートなどの活用も可能です。
Microsoft 365 Personalがサブスクリプションプランであることと比較し、Office Home & Business 2021は永続ライセンスプランです。一度規定の額を支払えば永続的に使うことができるため、ランニングコストを節約できるでしょう。
永続プランではOneDriveやMicrosoftエディター、AI搭載のクリエイティブツールといった各種機能を使うことはできません。自宅で幅広い活用をしたい場合は、サブスクリプションプランであるMicrosoft 365 Personalがおすすめです。
※本価格情報は、2023年11月時点の参考です。
※本価格には消費税は含まれていません。
※本サイトでの価格保証は致しかねますので、正式な価格については、別途お問い合わせもしくは公式HPよりご確認ください。
法人向けプランの概要
Microsoft 365の法人向けプランは、一般法人向けプランと大企業向けプラン、そして教育機関向けプランが用意されています。大企業は大企業プラン、教育機関は教育機関向けプランを契約するのが一般的であり、それ以外の企業は一般法人向けプランを選べばよいでしょう。
大企業向けプランは、大規模な利用が想定されたプランです。コンプライアンスや中核的なセキュリティ、そして生産性向上にまつわるさまざまな機能を活用することができます。
教育機関向けプランも教育機関に最適化されており、創造的かつ魅力的なアプリを求めやすい価格で契約することができます。
一般法人向けプランの詳細
それでは次に、Microsoft 365の一般法人向け各プランについて比較し詳しく解説します。
※本価格情報は、2023年11月時点の参考です。
※本価格には消費税は含まれていません。
※本サイトでの価格保証は致しかねますので、正式な価格については、別途お問い合わせもしくは公式HPよりご確認ください。
Microsoft 365 Business Basic
Microsoft 365 Business Basicは、ユーザーあたり¥750/月で利用できるプランです。手頃な価格でWeb版とモバイル版のOfficeアプリを活用することができます。
比較的簡易なリモートワークにおけるソリューションを欲している企業に適したプランです。
Microsoft 365 Business Standard
Microsoft 365 Business Standardは、ユーザーあたり¥1,560/月で契約可能なプランです。 契約することでWordやExcelといったOfficeアプリを活用することができ、オンラインでもオフラインでもデバイスを選ばず作業が可能です。
Microsoft 365 Business Premium
Microsoft 365 Business Premiumは、ユーザーあたり¥2,750/月で利用できるプランです。基本的な利用範囲はBusiness Standardと同じですが、より高度なセキュリティ対策が施されています。
リモートワークに安心を求める企業におすすめです。
アプリのみのMicrosoft 365 Apps for business
Microsoft 365 Apps for businessは、ユーザーあたり¥1,030/月で利用できるプランです。契約すればあらゆるデバイスからOfficeアプリを利用することができ、PCからでもモバイル端末からでも作業が可能です。
ただ、Microsoft 365 Apps for businessはOfficeアプリのみを利用するプランなので、他のプランで利用可能なチームコミュニケーションのためのTeams、多機能ビジネスメーラーであるExchangeなどを利用することはできません。
各プランに含まれるもの、含まれないもの
それでは次に、各プランに含まれるものとそうでないものをより詳しく見ていきましょう。
Basic、Standard、Premiumに共通して含まれるもの
Basic、Standard、Premiumに共通して含まれるのは、下記のような機能です。
チームワークおよびコミュニケーション
これらのプランでは、チームワークおよびコミュニケーションのためのTeamsを活用することができます。Teamsではメンバー間でチャットやファイル共有を行え、最大250人という規模でオンライン会議を開くことも可能です。
リモートワークでは、離れた場所にいるメンバー間のコミュニケーションが大きな問題となります。Teamsを利用すれば、その一助となるでしょう。
Webおよびモバイル版Officeアプリ
Basic、Standard、Premiumの三つのプランでは、Webおよびモバイル版のOfficeアプリを利用することができます。業務にWordやExcelといった定番ソフトを活用している企業も多いのではないかと思いますが、プランを利用すれば常に最新版のアプリを使えます。
加えて、リアルタイムの共同編集機能を使えば、複数のユーザーが同じファイルを使い同時に作業可能です。Teamsなどでコミュニケーションを取りながら編集することで、リモート下でも業務効率向上に繋げられるでしょう。
メールや予定表
各プランでは、メールや予定表に関連する機能を使うこともできます。メールに関しては50GBのメールボックスや独自のカスタムドメインを利用可能であり、Exchangeを活用することでメールをより効率的に扱えます。
また、予定表の管理や共有を行うことで、会議をスケジューリングして簡単に開催したり、アラームを鳴らすこともできます。リモートワークにおける各メンバーのスケジューリングに役立つでしょう。
ファイルストレージや共有
これらのプランでは、1TBのOneDriveストレージを利用することができます。与えられたストレージにはファイルを保存したり保存したものを複数のユーザーでの共有が可能なため、遠隔的なファイルのやり取りが可能です。
デバイス間での同期やアクセス権の設定もできるので、常に最新のファイルを許可されたユーザー間で共有できます。
プランによって異なるもの
では次に、各プランの違いを解説します。それぞれのプランでは、下記のような点に違いが生じます。
デスクトップ版Officeアプリ
StandardとPremiumプランではデスクトップ版のOfficeアプリを利用可能ですが、Basicプランにはデスクトップ版のアプリは付帯していません。従来のOfficeアプリは全てデスクトップ版だったので、デスクトップ版を使えないことに違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
使い方によっては、Web版とモバイル版のみでも作業を完結させることは可能です。しかし、Web版アプリを利用するには原則的にインターネットに繋がっている必要があるため、状況によっては不便を感じるかもしれません。
高度なセキュリティ対策
BasicやStandardでも一般的なセキュリティ対策が行われていますが、Premiumプランではより高度な脅威対策が施されています。Defenderを活用して添付ファイルやリンクからの脅威を保護したり、Information Rights Managementを利用して情報アクセスの制限を行えます。
オンラインでのやり取りは確かに便利なのですが、セキュリティに問題が生じやすいのも事実です。Premiumを契約すれば、広い範囲でオンラインにおける脅威を避けられるでしょう。
どういう基準でプランを選ぶか
各プランの比較は以上です。次に、どのような基準でプランを選ぶべきかについて解説します。
最適なプランはケースバイケース
「どのプランが最適か」は、基本的にケースバイケースです。ある企業ではBasicプランで事足りるかもしれませんし、またある企業ではPremiumを契約しないと業務が滞るというケースも想定されるでしょう。
一般的には、ミニマムな利用でよければBasicを。デスクトップ版アプリを使いたい場合はStandardを。そしてセキュリティに対する強い保護が必要な場合はPremiumを、といった具合になります。
「何を優先するか」を決める
大事なのは、自社にとって何を優先すべきかを定めることです。セキュリティを何より重視するのであればPremiumプランが最適かもしれませんし、Officeアプリを頻繁に活用しないのであればBasicで足りるかもしれません。
PremiumプランはMicrosoft 365の持つ多くの機能を活用できますが、中には不要なものもあるでしょう。使えるものが多ければ多いほど価格も高くなるため、必要最低限のニーズを見極め、最適なプランを契約することが大事です。
Microsoft 365と買い切り版Officeを比較
次に、Microsoft 365と買い切り版Officeソフトを比較していきます。どちらを購入すべきかお悩みの方は、ぜひこちらの内容を確認してみてください。
ビジネスシーンではMicrosoft 365がおすすめ
結論から申し上げると、ビジネスシーンにおける使用については、買い切り版OfficeソフトよりもMicrosoft 365の方がおすすめです。
理由としては、Microsoft 365の場合は常に最新のバージョンのアプリケーションを使用することができ、1アカウントで使用できる端末台数が多いからです。
買い切り版Officeソフトの場合は、最新のバージョンのアプリケーションがリリースされたとしても、アップグレードオプションが存在しないため、旧バージョンで使用し続ける必要があります。
もちろん、最低限の機能であれば、旧バージョンのままでも使用を続けることは可能です。ただし、セキュリティ面のリスクが高まる可能性があるほか、新しいバージョンのファイルとの互換性が保証されないため、予期せぬバグが発生することも考えられるのです。
さらに、買い切り版Officeソフトの場合、1アカウントで対応可能なデバイスの台数は2台に留まります。つまり、社外で業務を行わなければならない場合も、柔軟に対応することが難しくなることが予想されるのです。
Microsoft 365の場合は、1アカウントで15台のデバイスに対応することができます。突然のリモートワークにも対応していく必要がある現代において、このような柔軟性の高さは重宝されるべきメリットであると言えるでしょう。
様々な情報トラブルを未然に防ぐためにも、ビジネスシーンでOfficeソフトを使用する場合には、Microsoft 365を導入することをおすすめします。
個人使用でも買い切り版は注意が必要
個人で使用する場合にも、買い切り版のOfficeソフトを導入する際には注意が必要です。
現在、買い切り版のOfficeソフトである「Office Personal 2021」の価格は¥37,700です。それに対し、個人での利用者が最も多い「Microsoft 365 Personal」の価格は、¥14,900/年に設定されています。
単純計算で考えれば、買い切り版のOfficeソフトは3年使用すれば元を取れるということが分かります。しかし、繰り返しお話している通り、買い切り版のOfficeソフトの場合は最新のバージョンにアップグレードすることができないのです。
そのため、使用している途中で最新のバージョンがリリースされた時には、旧バージョンを使用しなければならなくなり、セキュリティ問題などのトラブルに巻き込まれるリスクが増加してしまいます。
また、買い切り版のOfficeソフトを導入する場合は、初期費用が高額になってしまいます。Microsoft 365は、月額での支払いも可能です。個人利用が多いMicrosoft 365 Personalの場合は、¥1,490/月の値段で使用することができます。
このような理由から、個人で利用する場合にも、買い切り版のOfficeソフトを購入するときには注意が必要です。買い切り版とMicrosoft 365の特徴をしっかりと理解した上で購入することをおすすめします。
Microsoft 365を活用する上で重要なポイント
それでは、最後にMicrosoft 365を活用する上で重要なポイントを解説します。下記の点に気を配れば、より拡張的な活用が可能になるでしょう。
セキュリティの強化
一つ目は、セキュリティの強化です。リモートワークにおいては無視できない要素ですが、セキュリティが甘いと情報が漏洩してしまったり、業務がストップしてしまうなどの弊害が生じます。
Microsoft 365におけるセキュリティの強化としては、IntuneとConfiguration Managerを用いたエンドポイント管理などが挙げられます。導入すれば、Microsoftのゼロトラスト技術を駆使してネットワーク全体におけるセキュリティを高めることができるでしょう。
ワークフローの効率化
次に挙げられるのは、ワークフローの効率化です。ワークフローにはさまざまなタスクが組み込まれているため、どこをどうすれば効率化に繋がるかを見極めるのが難しいケースもあるかもしれません。
Power Automateを活用すれば、RPAを駆使してさまざまなタスクの自動化を実現できます。業務の自動化というと「難しいコードを書かなければならないのでは?」という懸念を持つ人もいるかもしれませんが、Power Automateは簡単な操作で自動化ルールを構築できるのも特徴です。
まとめ
Microsoft 365にはさまざまなプランがありますが、大まかに家庭用と法人用に分けることができます。企業で活用する場合、多くは一般法人向けプランを選択することになり、Basic、Standard、Premium、Appプランが用意されています。
自社のニーズを見極め比較し、適切なプランを選択しましょう。
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