Microsoft power appsで在庫管理がしたい。その際のメリットや注意点について解説

Microsoft power appsで在庫管理がしたい。その際のメリットや注意点について解説

7月 31, 2023

記事の監修

S.Sato

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S.Sato

マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Offiece Specialist Master 2007、ITパスポートなど

2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。

Microsoft power appsというツールをご存知でしょうか。いわゆるローコードツールと呼ばれるものであり、活用することでさまざまなメリットが得られます。

この記事では、power appsの概要やメリット、そしてpower appsを活用した在庫管理のポイントについて解説します。
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Microsoft power appsとは

Microsoft power appsとは

Microsoft power appsとは、どのようなサービスなのでしょうか。まずは、簡単に概要を解説します。

Microsoft社がリリースしているローコード開発ツール

Microsoft power appsとは、Microsoft社からリリースされているローコード開発ツールです。通常、何らかのITシステムやツールはプログラミング言語を使って構築されますが、ローコードツールを使うことで複雑なプログラムなしに構築が可能です。

すなわち、専門的知識のない人でも必要なシステムやツールが開発できるわけです。プログラミング言語を学ぶには相応の専門性やリソースが要求されるため、使い方次第でさまざまな面における効率化が可能です。

Dynamics 365がカバーできない範囲を手広く担当できる

Microsoft power appsを導入すると、Dynamics 365がカバーできない範囲を手広く担当できるのも特徴です。Dynamics 365は、power appsと同じMicrosoft社が提供している顧客情報管理のためのCRMパッケージシステムです。

導入することで顧客情報の管理やマーケティング・セールスプロセスなどを効率化できるものですが、Dynamics 365では微妙に手の届かない範囲があるかもしれません。Microsoft power appsを活用することで、そのような場合に痒いところに手が届くツールを低リソースで構築できるわけです。

power appsの特徴とメリット

では次に、Microsoft power appsのメリットを深掘りしていきましょう。Microsoft power appsを導入することで、下記のようなメリットが得られます。

プログラミングなしでアプリが作れる

まず挙げられるのは、複雑なプログラミングなしにアプリを作れる点です。通常ITシステムやツール、アプリなどを構築する際にはプログラミングなどの専門的知識が求められ、それを満たすには相応のリソースをかける必要があります。

社内に専門部署があればいいのですが、そうでない場合は専門家を育成したり外注するなどのコストが要求されるでしょう。ローコードツールがあれば、そのようなケースでも比較的容易に必要なアプリを開発できます。

規模が大きいものは難しいかもしれませんが、外注するほどではない小規模なアプリやツールを作りたい際などに役立ちます。

開発環境を用意する必要がない

続いて挙げられるのは、開発環境を用意する必要がない点です。ITツールやアプリなどの開発にプログラミングが必要なのは前述の通りですが、プログラミングするためには言語に適した開発環境を用意する必要があります。

有名なものとしては、Visual StudioやEclipseなどが挙げられます。また、サーバーを介して動くもの(PHPやRubyなど)の場合は環境を用意する必要もあるでしょう。

IT初心者の場合、環境構築の段階で躓いてしまうことも珍しくありません。ローコード開発ツールであれば別途開発環境を用意する必要がないため、環境構築の手間を省けるのがメリットです。

必要なものを的確に作成できる

Microsoft power appsのようなローコード開発ツールを使うことで、必要なものを的確に作成できます。システムやツールの開発を外注する場合、どれほど密にコミュニケーションしたとしても、依頼主と開発側の間にズレが生じることも多いでしょう。

作りたい人と実際に作る人が異なる以上仕方のないことですが、それを避けたい場合は両者を同一にするのがシンプルな解決方法です。ローコード開発ツールを使うことで専門知識のない人でもアプリを作れるため、要点を外すことなく必要なものを的確に作成できるわけです。

コスト削減に繋がる

Microsoft power appsを始めとするローコード開発ツールを活用することで、コスト削減に繋がります。アプリやツールの開発を外部に委託すると、少なくない額のコストがかかるからです。

もちろん、自社で内製する場合も専門家の育成コストや雇い続けるためのランニングコストがかかってきます。ローコード開発ツールを導入して誰でも簡単にアプリを作れる環境を整えておけば、そういったコストをカットできるでしょう。

power appsで在庫管理を行うメリット

power appsで在庫管理を行うメリット

では続いて、Microsoft power appsを活用して在庫管理を行うことによるメリットをご紹介します。さまざまな業務に幅広く使えるpower appsですが、在庫管理に活用することでどのような恩恵が得られるのでしょうか。

専用の在庫管理システムを導入する必要がない

まず挙げられるのは、専用の在庫管理システムを導入する必要がない点です。在庫管理システムにはさまざまなものがあり使い勝手や値段なども多種多様ですが、その中から自社にあったものを見つけるのは苦労を伴うかもしれません。

Microsoft power appsであれば、さほど労力をかけずに自社に合った在庫管理システムを構築できます。あまりに複雑なものは難しいかもしれませんが、シンプルな実使用に耐えうるものであれば設計次第で可能でしょう。

また、自社で内製したものであればメンテナンスや拡張も容易なのがメリットです。加えて、内製したもので物足りなくなった際には既存ツールの活用も視野に入れられるなど、幅広い選択肢を持てるのも利点でしょう。

IT担当者が不在でも作成や編集が可能

Microsoft power appsを活用することで、IT担当者が不在でもシステムの作成や編集が可能になります。ローコード開発ツールは、専門的知識を学ばなくても比較的容易にアプリやツールを開発できる仕組みだからです。

特定の担当者が不在の際に業務が回らないのは、いわゆる「属人性が高い」状態です。業務の属人性が高いことによる弊害はさまざまなことが挙げられており、なるべく改善すべき状況であるとの見方が多いのではないでしょうか。

特定の担当者に負荷が集中することにより当人に不公平感を与えてしまったり、心身の健康を害してしまうなどのリスクが考えられるでしょう。事業の持続性を高めるためにも、なるべく属人性は排除して柔軟な体制を整えることが大事です。

Microsoftアプリと連携しやすい

Microsoft power appsは、同じMicrosoft社のアプリと連動しやすいのも特徴です。今現在、在庫管理を同じMicrosoft社のExcelで行っている人も多いのではないでしょうか。

Microsoft power appsとExcelを連動させることで、既存のシートを有効活用することができます。また、やり方次第ではExcelからアプリをダイレクトに生成することもできるため、コストやリソースの削減に役立つでしょう。

幅広く利用されているMicrosoftアプリで作られたものが無駄になりづらいのがメリットです。

power appsで在庫管理を行う際に考えたいポイント

続いて、Microsoft power appsで在庫管理を行う際に考えたいポイントについて考えてみたいと思います。Microsoft power appsで在庫管理を行うにあたって、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

 既存のツールを活用できないか

まず考えたいのは、既存のツールを活用できないかどうかです。Microsoft power appsなどのローコードツールを使えば比較的容易にアプリを生成できますが、新しいものを導入する以上、手法やワークフローの変更は避けられないでしょう。

今現在使っているもので問題がない場合、そのまま使った方がコストパフォーマンスに優れるかもしれません。あるいは、今現在使っているものとpower appsを連動させることで、より精度の高いものが生成できるかもしれません。

既存の資産を有効活用しないことで生じるロスもあります。ITシステムやツールの活用には、総合的な視点をもって臨むことが大事です。

運用ルールをしっかり定める

システムやツールの運用ルールをしっかりと定めておくことで、管理を効率化できます。利用するものや環境に合わせて、最適なルールを設けましょう。

もし、適切なルールが設定されていない場合はどうなるのでしょうか。状況にもよりますが、皆が好き勝手にツールに登録した結果情報が重複したり、場合によってはエラーや故障が頻発してしまうかもしれません。

正しい運用ルールを設けるには、システムやツールがワークフローにおいてどのような意味を持つかを考えることが大事です。そうすれば、自ずと利用方法も定まるでしょう。

場合によっては専門家に相談する

ITの分野は複雑化しているため、場合によって専門家に相談する手もあります。自社のみで全てを解決できればいいのですが、そうでない場合は厄介なトラブルを抱え無駄にリソースを浪費してしまうかもしれません。

そのような場合に相談できる専門家をあらかじめ見つけておけば、システム導入に対する抵抗感も薄れるのではないでしょうか。専門家が万能というわけではありませんが、いざという時に頼れる存在を作っておくことは大事です。

自社に合ったIT専門家を見つけるには?

自社に合ったIT専門家を見つけるには?

自社に合ったITの専門家を見つけるには、どのような点に気を配ればいいのでしょうか。続いて、IT専門家の見つけ方について解説します。

評価や実績を調べる

まずチェックしたいのは、専門家の評価や実績です。評価は言うまでもありませんが、実績に関しては「自社が運用したい分野」のものがあるかどうかが大事です。

ITの世界は細かく細分化されており、全てを完璧に把握している専門家は存在しないでしょう。であれば、自分が求めているジャンルと異なるものが得意な専門家に相談した場合は問題解決に繋がらない可能性があります。

自社が運用しているシステムやツールを把握し、それに沿って専門家を選ぶことが大事です。

自社がやりたいことを明確にする

自社がやりたいことを明確にすることで、専門家を選びやすくなります。今回の記事では主に在庫管理について解説していますが、その辺りが明確になっていない場合は専門家を探すより先にやりたいことを明確化しましょう。

前述の通り専門家にも得意不得意があるため、得意分野が合致する人に相談するのがベターです。在庫管理を例に考えると、在庫管理システムの運用方法はもちろんのこと、在庫管理業務における包括的なアドバイスを得られるかもしれません。

ITは実業務を効率化する目的で利用されるものであるため、専門家は該当業務そのものの知見を有している場合も多いからです。

ITの基礎知識を学んでおく

あらかじめ基礎的な知識を学んでおけば、専門家選びに役立つでしょう。全てを熟知することは不可能ですが、ITの総合的な基礎部分および自社が運用したいシステムの基本を知っておくにこしたことはありません。

専門家を探す際ももちろんですが、実際の相談もスムーズになることが期待できます。ITの分野には専門用語が多いため、知らない単語が出てきた際に都度調べているとコミュニケーションが阻害されてしまうからです。

まとめ

Microsoft power appsは、Microsoft社がリリースしているローコードツールです。ローコードツールを活用することで、専門的なプログラミングの知識がなくてもツールやアプリを開発することができます。

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