記事の監修
S.Sato
記事の監修
S.Sato
マネジメント&イノベーション事業部 開発部/2グループ グループマネージャー
資格:Microsoft Offiece Specialist Master 2007、ITパスポートなど
2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。
それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。
IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。
趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。
この記事では、顧客関係管理という概念。そして顧客関係管理のためのシステムについて解説します。
Contents
目次
顧客関係管理とは?
顧客関係管理とは、一体どのような概念なのでしょうか。まずは、顧客関係管理について解説します。
顧客との関係を見直し、売上や収益性の向上を目指すこと
顧客関係管理を一言で表現すると、顧客との関係を見直し売上や収益性の向上を目指すことです。事業において売上を立てるのになくてはならないのが顧客という ですが、顧客もそれぞれ属性や特性が異なるため、正しく管理し接する必要があります。
Aという顧客に対して有効なやり方が、Bという顧客にも当てはまるとは限りません。顧客も人間である以上それぞれの思惑や感情があるため、基本的にそれに沿って応対しニーズを満たしていく必要があるでしょう。
それらを適正に管理し売上や収益を最大化しようという試みが、顧客関係管理という概念です。
顧客関係管理を意識するのとしないのでは将来的に差が
顧客関係管理という考え方を意識するのとしないのでは、将来的に売上や収益体制に差がついてしまう可能性があります。顧客は当然ながら自分のことをより理解してくれる、自分のニーズをより満たしてくれる業者からモノやサービスを購入したいと考えるため、適正な顧客管理が行われているか否かは顧客満足度に影響し、最終的な顧客数や単価に反映されるでしょう。
なるべく早いうちから顧客関係管理について考え、適切に実行していく必要があります。
なぜ今顧客関係管理が大事なのか
なぜ今顧客関係管理が大事と言われているのでしょうか。続いて、顧客関係管理の重要性が叫ばれているバックグラウンドについて見ていきましょう。
市場の成熟化に伴う売上の減少
現代は、既に供給が需要を上回っている成熟化した社会に突入していると言われています。一昔前の高度経済成長期はモノのニーズを供給が下回っていたため、極端に言うと「作れば売れる」時代でした。
そのような時代においては、「いかに大量のものを生産するか」が大事になり、一人ひとりの顧客のことを考える暇があったらモノを作った方が儲かるという話になります。しかし、需要を供給が上回る時代では「作れば売れる」などというのは夢のまた夢であり、「作ったものをどのように売るか」に頭を悩ませなければなりません。
その考え方や手法の一つとして、顧客関係管理が挙げられるというわけです。
ニーズの多様化
需要を供給が上回った現代においては、ニーズの多様化が発生しています。従来の社会ではニーズが単一化されており、企業としても「何を作るか」がある程度明確だったのではないでしょうか。
しかし、多様化されたニーズに応えるためにはさまざまな角度から物事を考えなければなりません。商品の種類は多いほうがいいのか少ない方がいいのか、販売手法やアプローチは誰にどのように行えばいいのか、などが挙げられるでしょう。
多様化されたニーズに適格に応えるために、一人ひとりの顧客との関係を改善管理する顧客関係管理が重要になるわけです。
グローバル時代におけるスピード感の重要性
グローバル時代のビジネスはスピード感が重要であり、その辺りに欠ける企業はたちまち周回遅れになってしまうでしょう。逆に、スピード感のある企業は多くのチャンスにチャレンジすることができ、視野や世界を広げる機会に恵まれます。
顧客との関係をしっかりと管理することで、ビジネスのスピードを向上させることができます。関係が深ければ深いほど余計なコミュニケーションを削ぎ落とすことが可能になり、いわゆる阿吽の呼吸に近い状態になることも期待できます。
それはすなわち、言葉にしなくても顧客のニーズを理解していることになるでしょう。そこまで関係が進んだ取引先を切るのは相手方としても難しく、自然と競争優位を得ることもできるのではないでしょうか。
システムを活用することで顧客関係管理が変わる
現代において重要性の高い顧客関係管理ですが、実際にはどのように行えばよいのでしょうか。ここでは、顧客関係管理のためのシステムについて解説します。
顧客関係管理システムとは?
顧客関係を管理するためのシステムは一般的に、CRMシステムと呼ばれます。CRMはCustomer Relationship Managementの略であり、これを要訳すると「顧客関係管理」になります。
以前はシステムに頼らず顧客との関係を管理していた企業もあるかもしれませんが、現在はシステムにより管理するのが一般的です。IT化の必要性が叫ばれて久しい昨今ですが、顧客関係管理の分野にもその波が押し寄せているというわけです。
顧客関係管理システムを活用すれば顧客関係管理の効率化に繋がる
顧客関係管理システムを適切に活用することで、顧客関係管理の改善や効率化に繋がるでしょう。顧客関係を改善することの重要性は前述の通りですが、システムを活用せずに改善するのは限度があり、効果も限定的になってしまいます。
CRMシステムを利用することで、従来では分からなかった顧客の購買パターンやニーズが視覚化され、より一層顧客のことを理解できるようになるでしょう。相手のことを理解できるようになればなるほど適切なアプローチを行えるようになり、結果売上や収益に繋がるという次第です。
どのようなシステムを選ぶべきか
CRMシステムにはさまざまな種類が存在しますが、大きく分けると「オンプレミス型」「クラウド型」の二種類があります。以下、それぞれについて解説します。
オンプレミス型
オンプレミス型のシステムでは専用の機器を自社で購入し、そこでソフトウェアを走らせる形になります。ソフトウェアやデータの管理を自社で行える反面、メンテナンスや保守も自分達で考える必要があります。
オンプレミス型のメリットとしては、データを自社内に保管できるためセキュリティに強いという点が挙げられるでしょう。また、専用の機器を導入し構築することから、オリジナリティを保ちやすく痒いところに手が届くシステムを組みやすいという利点もあります。
反面、デメリットとしては機器購入やメンテナンス・保守にかかるコストが割高になるというものが挙げられます。当然ながら、システムのハードウェアを設置する場所も必要になるでしょう。
クラウド型
オンプレミス型が自社で専用の機器を購入しそこでシステムを走らせるのに対し、クラウド型はベンダーのサーバー上に置かれているソフトをインターネットを通じて利用する形になります。
専用の機器を購入する必要がないため、比較的導入しやすいのがメリットです。また、メンテナンスやアップデートはベンダー側で自動的に行なってくれるため、自社は通知が来たらアップデートを行えばよいという気軽さも利点でしょう。
対して、クラウド型のデメリットは柔軟性に欠けるという点が挙げられます。オンプレミス型はシステムの構築にオリジナリティを持たせることができますが、クラウド型は基本的に全ユーザーが同じソフトウェアを活用することになるため、場合によっては機能面に不満が生じることもあるでしょう。
顧客関係管理システムを活用するメリット・デメリット
ここでは、顧客関係管理システムについてより理解を深めていきたいと思います。顧客関係管理システムを活用するメリットとデメリットは、一体どのような点にあるのでしょうか。
メリット
CRMシステムを活用するメリットは、主に下記の通りです。
対応の平準化に繋がり、顧客満足度の向上が見込める
CRMシステムを導入することで顧客対応の平準化に繋がり、満足度の向上が見込めます。システムを利用しない顧客対応の場合、顧客情報は担当者個人に集約されるため、担当者でないと満足な対応が難しいという状況になってしまいます。
一方、システムを活用して担当者ではなくシステムに情報を集約していれば、誰が対応しても一定水準を保つことができるでしょう。細かい問い合わせに対していちいち担当者を呼び出さないといけない場合は何かとストレスが溜まってしまい、場合によっては取引を打ち切られてしまうリスクがあります。
また、担当者に情報が集約されることによる業務の属人化リスクも考えなければなりません。
顧客単価の向上が期待できる
CRMシステムを活用すれば、顧客単価の向上が期待できます。CRMにより顧客との関係がしっかりと管理されている場合、「どの顧客がどのタイミングでどのような商品を求めるか」「どの顧客にどのような対応をするのがベストか」といった情報が集まりやすくなります。
それらを利用することで、顧客のニーズを先回りした提案やキャンペーンを打つこともできるでしょう。人は自分のニーズをしっかりと理解してくれている相手から購入したいという思いがあるため、取引を打ち切られにくくなったり顧客単価が上がったりといった効用が期待できます。
デメリット
一方、顧客関係管理システムのデメリットは以下の通りです。
運用管理の手間が生じる
CRMも業務システムの一環なので、導入と運用にはそれなりの手間が生じます。導入の際は業者への見積もりや商品の選定、事前シミュレーションや現場への啓蒙周知といった業務が発生しますし、運用後も保守やメンテナンスといったタスクがかかります。
クラウド化されたシステムを使うことでかなり軽減はできるものの、完全にゼロにはできません。
コストが発生するため、費用対効果の視点が必要
そのため、システムの導入により得られた利益とコストを天秤にかけ、費用対効果を測る必要があるでしょう。費用対効果の測定はシステム導入だけに限った話ではありませんが、費用対効果を正しく測定するためにもコストやリソースがかかるのがデメリットではあります。
費用対効果が高ければ問題はないのですが、低い時にどうするかという判断も必要になります。
理想的な顧客関係管理のためのポイント
では、最後に理想的な顧客関係管理を行うためのポイントについて解説します。大事なのは、時代の流れを読み、WINWINな関係を築くと言った視点になるでしょう。
「お客様は神様」の時代は終わった
基本的に、「お客様は神様」と言われる時代は終わりました。従来顧客の立場が強かったのは、需要が頭打ちになり各企業が限られたパイを奪い合う必要があったからです。
今でも需要と供給のバランスはそれほど変わりませんが、物やサービスを提供する側の考え方が「より効率の良い販売手法」や「コスパの良い顧客を優先する」といったものに変化しつつあります。客単価が低くクレームの多い顧客を相手にしても、時間とリソースが取られるだけなのは言うまでもないでしょう。
総合的な視点を持ち、長期的視野で判断する
総合的な視点と長期的な視野を持つことは、何をするにおいても重要です。短期的な成果のみを求めるのであれば顧客の言い分を全て聞き、極論相手の言い値で商品やサービスを販売することが正当化されてしまうでしょう。
しかし、長期的な関係を築くとなるとそうはいきません。相手の言い分を全て聞いているとこちらの身がもちませんし、かといってこちらの言い分を100%主張すると顧客は離れていってしまいます。
自分と顧客、そして社会にとって有益な取引を
自分と顧客、そして社会全体にとって有益な取引を目指すことが、理想的な顧客関係管理のためにはなくてはならないポイントです。自分だけが得をするのであれば顧客は離れていきますし、顧客のみが得をするのであれば自分が疲弊してしまうでしょう。
そして自分と顧客は良くても社会にとって有害な取引であれば、いずれその報いを受ける時が来るかもしれません。古い言葉に「三方よし」というものがありますが、自分と相手は当然として、それに加え社会全体に良い影響を及ぼせるものこそ良いビジネスだという考え方です。
まとめ
適切な顧客関係管理を行うことで、収益構造の強化に繋がります。
自社に合ったシステムや手法を正しく選定し、CRMの改善に努めましょう。
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