リードナーチャリング戦略がインバウンドマーケティングを制する!

リードナーチャリング(Lead Nurturing、見込顧客育成)とは 

見込顧客育成という言葉を見ると、大切な顧客を育成しようとしているような印象を受け、少し違和感を覚えるかもしれません。

リード(Lead)とは、契約や購入する前の段階にいる見込顧客をさします。

「育成」という和訳が当てられているナーチャリングは、養育する、はぐくむという意味を持つNurtureからきていますが、Nutrition(栄養)にもどこか響が似ていませんか。

どちらもnutrit-(養うという意味)という接頭辞を持ち、親類関係の単語に nurse (看護士、子守りをする、育てる) や、nursery(育児室、子ども部屋、苗床)があります。 

リードナーチャリングには、自社の認知を促し、リードを大切な顧客としていく行為と捉えることができます。

それでは、注目が集まっているリードナーチャリングについて解説していきます。 

リードマネジメント(Lead Management)

キャンペーンやプロモーションによりリードを獲得しても、すぐさま購入検討する確度の高い見込顧客(ホットリード)である割合は少なく、すぐに購入や契約に結びつくのは1割程度だといわれています。

リードの約6〜7割の人が興味を持っても今すぐには検討しない見込客です。

年々商品やサービスに関する情報やチャネルの多様化につれ、ユーザーは時間をかけて商品を比較・検討するようになりました。

そのため、このリードが本格的な購買検討に至るまで、どのように接点を持ちつづけ、中長期的な情報提供による関係を維持するかがとても大切となります。

こういったリードとの関係構築していくプロセスを管理するのがリードマネジメントです。 

リードマネジメントは海外でもバズワードになるほど、その重要性の高さに注目が集まっています。

リードマネジメントにはリードナーチャリングを含め次のようなステージがあります。 

リードジェネレーション(Lead Generation)

リードジェネレーションとは「リードの生成」すなわち、見込顧客創出にかかる活動を行うことです。

大きくオフラインとオンラインの二つのアプローチ方法を用いて顧客接点を広げます。 

オフラインのアプローチ方法では、展示会やセミナーなどが代表的で、名刺交換を行ったりアンケートを用いて顧客情報を取得します。 

オンラインのアプローチでは、ウェブサイトやSNSを使ったコンテンツマーケットなどを通して行われ、ブログ閲覧やランディングページ訪問などから、問い合わせや資料のダウンロードを促します。 

リードナーチャリング(Lead Nurturing)

リードナーチャリングは、リードジェネレーション活動の結果得られた保有リードに対して将来的な購買につなげる見込顧客育成にかかる活動を行うことです。 

将来的に顧客となる見込みのある層に対して、ウェブ上での発信や定期的なメルマガなどを通じて、中長期的に関係を作っていくことに主眼を置いています。

顧客接点の接触回数を増やすことで、自社製品やサービスへの認知を深め、購買意欲を喚起し、ホットリードとなることを目指します。

まさに、顧客接点に水や栄養を与えることと同様に、信頼関係を築くように蒔いた種を育てていくイメージです。

リードクオリフィケーション(Lead Qualification)

リードクオリフィケーションとは、リードナーチャリングにより、顕在化した見込顧客から確度の高いホットリードを見極めることです。

これにより、製品やサービスに関心のある受注率の高いリードと優先的にコンタクトを取るなど、効率良く営業活動を展開することができます。

具体的には、他社比較資料、見積もりサービスなどのサービス提供を行う活動があります。 

顧客接点を育成していく

リードの関心を惹きつけるコンテンツの開発、多様なチャネルの活用により、顧客接点を増やすことに成功したら、リードナーチャリングでその接点を育成していくことが大切です。

その手法は、BtoBやBtoCでそれぞれ異なります。

また、消費者の心理状態によってタイムリーな情報をリードに提供できようにアプローチの方法を選択していくことで、セールスタイムを縮め効果的なマーケティングにつながるとされています。 

消費者心理をどう掴むか

消費者は、商品やサービスを知らない状態から、認知、興味を経て、実際の購買決定を行う購買行動をとるといわれています。

従来のマーケティングでは、AIDA、AIDMAなどの購買行動モデルを基軸に、店まで消費者を呼び込むための「Attention(認知)」させるCMや広告が打たれ、店頭で欲求を高めるために展示商品や試食などが行われていました。

その後、インターネットの登場により実物を用いて欲求に訴える方法から、インターネット検索への対応へとマーケティングの重点が変わっていくようになりました。

現在コンテンツマーケティングの世代に突入し、DECAXモデルに代表されるように、消費者が商品をいかに「発見」し、「関係構築」する仕組みを作るかにマーケティングの重点が変化しています。 

ストーリー性をペルソナに反映する

人と動物の違いの一つに、人は思考し「ストーリー」を求めるもだといいます。

近年、マーケティングにおいても、機能、デザインに加え、ストーリー性の価値に重きを置く流れに変わってきました。

ペルソナを設定する際にも、自社の製品やサービスのストーリーがどのターゲットのどの部分の関心に重なりを産み、共感を呼ぶのかを洗い出して設計することがとても大切となります。

このことを念頭にペルソナを設定し、Happy!を感じるペルソナの行動を仮説として検証し、カスタマージャーニーマップで使用するフレームワークを設定しましょう。 

パーソナライズした文面を添える

メール配信一つとってもマーケティングにおいて非常に有効なツールでありながら、細心の配慮を伴った戦術が求められます。

アクセンチュアが2016年にアメリカで行なった調査によると、見込みの低いリードがメールで受け取った広告が自分とは無関係であり不快だと感じた場合、41%が購入先を切り替えた経験があると答えました。

これは、低いレベルのパーソナライゼーションと信頼性の欠如が原因です。 

1日に数100億もの広告が飛び交っている中で、気になっているあの人から受け取るメッセージの一つ一つはどうしてあれほど格別なのでしょうか。

自分だけに宛てられたメッセージを受け取ると人はそれを印象強く思うものです。

海外のコーヒーショップで淹れたてのコーヒーが受け取りカウンターに提供されるとき、下の名前で呼びかけられるとつい嬉しく感じることはないでしょうか。

送る文書の冒頭に少し親しみを込めた呼び名や相手を思う一言で、受け取り手があっと思ったり、気持ちがあがる仕掛けを少し入れると受け取る際の印象がグッと好意的なものに変ります。

このように精度の高いOne to Oneマーケティングへの期待が高まっていることがわかります。 

リードナーチャリング戦略の活用

リードスコアリングとは

リードが購買行動のどのステージにいるかを判断する上で、マーケティング担当者の経験や勘を頼りに展開していた部分はないでしょうか。

企業ニーズやユーザーニーズは非常に多様化しており、もはやマーケターの経験や勘だけでは対応しきれなくなっています。

ビジネスにおいても、様々な種類と膨大な量の情報を蓄積するビックデータとアルゴリズムによって処理された分析結果などをもとに、ビジネスの意思決定や課題解決などを行う、次世代型の業務プロセスであるデータ・ドリブン(データ駆動)を推進しています。

マーケティング分野においてそれを担うのがリードスコアリングになってきます。 

リードスコアリングでは、キャンペーンやメルアド配信などのマーケティングの結果、リードの属性、興味、反応などからスコアを出し、評価分析することでリードの状態を数値的に確認することができます。 

リードナーチャリングを導入するメリット

リードナーチャリングを活用することで、すぐに受注に結びつかない将来的な顧客である保有リードの取りこぼしや放置を防ぎ、顧客接点を維持します。

このようにリードをつなぎとめ、その間に製品やサービスへの理解度や興味を育てていくことで、リードの購買したいタイミングで、他社に流れてしまう可能性を下げることができます。 

確度の高いホットリードを営業部門に引き継ぐことでレバレッジを効かせて営業効率を上げることができます。

またROI(費用対効果)の評価でマーケティング効果を確認することで、広告やキャンペーン、展示会などから、効果的な集客の選択に結びつき、集客コストのロスを削減します。 

リードナーチャリングで気をつけること

他方で、リードナーチャリングを行う上での注意点が何かを見ていきましょう。

リードナーチャリングを行う上で、データを整理し、データベースを構築し、それを一元管理し運営する運用設計などシステム導入は、それなりの時間と人的リソースの確保が必要となります。

また、効果が出るまでにテストと評価・分析を繰り返すため、一定の時間がかかってしまいます。

リードナーチャリングは獲得済みの保有リードがいることが前提となります。

また、その保有リードを対象としたコンテンツがないと前提を揃えた比較分析が正しくできない場合があります。

マーケティングにおけるリードナーチャリングは、見込顧客の確度を把握し高めることが目的であり、営業や開発業務とは異なりますので、直接売り上げにつながるコンテンツや活動だけが分析対象ではないことも留意が必要です。 

マーケティングオートメーション(MA)ツールの活用

リードナーチャリングのステップでは、保有リードのセグメンテーション、コンテンツを作成、SNSや広告、メールやセミナーを用いたコンテンツ公開、リードの関心を維持し、関心度の高さに応じてリードクオリフィケーションを行い、ホットリードを営業部門に引き継ぐまでとなります。 

このように、顧客起点に基づきアプローチを選択し、リードの関心を惹きつけ続けながら、自社への認知を深める続ける作業は、簡単なようで複雑であり、様々な手間とコストを要し、また営業部門への情報の引き継ぎ方で苦慮する場合もあるでしょう。

そこで、マーケティングオートメーション(MA)ツールと呼ばれるソフトウェアが登場し、これらの作業を自動化し、他部署とのセキュリティの高い情報の連携方法の構築を容易にし、ROIの評価をタイムリーに行うことで、マーケティング施策の管理を効率的に行うことが可能となりました。 

マーケティングオートメーションについては、詳しくはこちら!

Microsoft Dynamics 365 を使ってリードナーチャリングを始める

マーケティング電子メールの作成

ターゲットのセグメンテーションを設定し、ターゲットに応じたシンプルなデザインからカラー写真が美しいWebページのようなデザインなどDynamics365が提供するデザインから電子メールを作成します。

また、電子メールは複数のマーケティングコンテンツを組み合わせてパーソナライズすることが可能です。

配信されたメッセージはリードスコアリングや顧客体験を創造するための重要な判断材料でもあり、自動でエラーを検出し配信率向上につなげます。

また、電子メールと同様のランディングページを作成することも可能です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/dynamics365/marketing/design-digital-content 

イベントの計画と管理

ダッシュボードを用いて、出席者や関係者の管理、会場などロジスティック調整の管理を含む総合的なイベント管理を行うことができます。

初期計画と予算編成から、プロモーションと公開、参加者登録、ウェビナー放送、最終分析、リード生成、ROI の評価が可能です。 

マーケティング結果の分析

Dynamics 365 は、あらゆるマーケティング活動のイニシアチブにユーザーがどのように反応するかを追跡し、セグメント、顧客体験、リードスコアリング、リンクのクリック数やウェブサイト訪問数などの結果からインサイトを得るための分析を行います。  

https://dynamics.microsoft.com/en-us/ai/customer-insights/ 

まとめ

従来の営業スタイルであるプッシュ型から、長期化する購買プロセスにおいて顧客起点のインバウンドマーケティングの仕組みづくりを行う上で、リードナーチャリングを戦略的に活用することが成功に導く鍵となります。