知っているようで意外と知らない!業務システムのクラウド化について理解する!

知っているようで意外と知らない!業務システムのクラウド化について理解する!

11月 13, 2020

記事の監修

S.Sato

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S.Sato

マネジメント&イノベーション事業部 開発部/ユニット2 リーダー資格 Microsoft Offiece Specialist Master 2007、ITパスポート 2022年よりMicrosoft365とPowerPlatformの案件を担当。それ以前は業務・Web系システムを要件定義からリリースまでの開発に従事。IT業界歴15年の経験を活かし、PJを牽引し後続の育成にも力を注ぐ。趣味は散歩で、思考が煮詰まった際には、近所の緑道を散歩し、新たな発見や自然からのインスピレーションを受けている。

近年、「クラウド化」という言葉を聞く機会も増えてきたのではないでしょうか?

ビジネスにおいてクラウドに関する知識は必要不可欠になりつつあります。

今回は、業務システムや基幹システムのクラウド化についてご紹介させていただきます。
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Contents

目次

クラウドとは

クラウドとは、クラウドコンピューティングとも呼ばれ、コンピューターの利用形態のひとつです。  

インターネットなどのネットワーク経由でユーザーにサービスを提供する形態のことを指します。  

よくクラウドは雲のようなイメージだと言われますが、具体的には雲の中に様々なデータが保存されていて、アクセス権があればアクセスしたい時にどこからでもその雲にアクセスできて、必要なデータを見れるようなイメージです。 

オンプレミスとクラウド

IT システムを構築するプラットフォームには大きく分けて2種類あります。 

それが、「クラウド」と「オンプレミス」の2種類です。  

クラウドは、先ほど紹介したように、インターネットを通じてネットワーク経由で様々なサービスを利用できる形態のことでした。 

そのため、自社でサーバーを用意したり設定したりといったことをせずに済むので、比較的簡単にサービスを利用することができます。  

一方のオンプレミスは、サーバーやネットワーク、ソフトウェアなどの IT インフラを自社で用意・構築して運用する形態を指します。 

自社内で管理・運用を行うので、カスタマイズの自由度が高いのが特徴ですが、その分システム構築の知見とサーバーの初期費用や設置場所の確保などが必要になります。 

クラウドの歴史

近年では急速にクラウドサービスが普及していますが、その歴史を辿るとクラウドという概念は2000年代初頭から普及し始めました。 

それまでは、社内のシステムは、自社内で運用管理することが当たり前でした。 

しかし、自社内で保有するにはサーバーの設置場所の確保や初期設定、運用管理など、様々なコストがかかることが課題でした。 

また、システム障害があった場合には、自社で復旧するか業者に委託する必要があり、手間やコストがかかっていました。 

こうした課題を解決できる手段としてクラウドが瞬く間に世界のトレンドとして広がっていきました。 

そして世界中の様々な企業が研究を重ね、クラウドサービスを普及させていったのです。 

中でもECサイトで多くの人に知られている、世界的大企業 Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)ですが、クラウドサービスである AWS も提供しています。 

アマゾンがクラウドサービスの提供を始めた裏にはこのような秘話があります。 

アメリカでは、クリスマスの時に大々的にプレゼントを渡す風習があります。 

そんなクリスマスシーズンはプレゼント関連の注文が多くアマゾンの倉庫の稼働率も100%近かったそうです。 

しかし、クリスマスシーズン以外では倉庫の稼働率はそこまで高くはありませんでした。 

そこに目をつけたアマゾンは、年間を通して倉庫を有効活用するために、空きスペースをユーザーに貸し出すサービスをリリースしました。これがAmazonマーケットプレイスです。 

Amazonが利用しているサーバーも同様で、クリスマスシーズン以外はサーバーの稼働率が下がります。そこで始まったのが、ユーザーにサーバーをクラウドとして共有するサービス、AWSです。 

AWS の売上は2020年現在、400億ドル(約4兆3000億円)を超えるまでに成長しており、一部では「アマゾンはECサイトではなく、クラウドの会社だ」と言われるほどです。

なぜ業務システムをクラウド化すべきなのか

そもそも、業務システムをクラウド化すべきメリットが具体的に何か分からないと言った方も多いと思います。 

そこで、業務システムをクラウド化することのメリットについてご紹介します。 

運用コストの軽減

オンプレミスで運用していく場合、下記のような運用コストがかかります。

  • サーバーの設置場所の確保
  • サーバーメンテナンス
  • 障害対応

これらにかかるコストは非常に大きいのが現状です。 

また、サーバーメンテナンスや障害対応に関しては、個人のスキルによって対応に差が出てしまうこともあります。 

クラウドサービスを使うことで、自社内にサーバーを設置する必要はなくなり、メンテナンスや障害対応も全てクラウドサービス提供事業者が行ってくれます。 

これにより、運用コストを軽減することが可能になります。

いつどこからでもアクセスできる利便性の向上

オンプレミスで業務システムを運用している場合、基本的に社内PCでしかアクセスできません。 

社外から社内のシステムにアクセスするためには、VPNなど利用してセキュリティレベルを保ちながら、社外からアクセスできる仕組みを作り上げる必要があります。 

しかし、外出先や自宅から手軽に必要な情報にアクセスしたい場合なども多くあります。 

クラウドで運用する場合、セキュリティレベルを保ちながら、インターネット環境さえあればいつどこからでもシステムにアクセスすることができ、業務効率化に繋がります。 

セキュリティ面ではクラウドサービス提供事業者のセキュリティ専門家が様々なセキュリティ対策をしてくれているので、安心して使っていただくことができます。 

セキュリティ対策

システム運用していくにあたり、セキュリティ対策は必須事項です。 

セキュリティに関する対策は日々進化しており、常にアップデートする必要があります。 

オンプレミスの方がセキュリティ面では強いと言われていますが、それは高度な知識を持った人が適切なセキュリティ対策を行った場合です。 

自社でそういった人材を雇う、もしくは委託する場合でも結構なコストがかかってしまいます。 

クラウドであれば、クラウドサービス提供事業者が最新のセキュリティ対策を行っています。 

そのため、コストをかけて自社で様々なセキュリティ対策を行うよりは、圧倒的にコスト削減に繋がります。 

クラウドサービスは、一昔前まではこのセキュリティ面が不安視されており、クラウド移行に踏み切れないといった企業も少なくありませんでした。 

しかし、近年ではセキュリティ面も非常に強固なものになっており、世界中の企業が既にクラウドへと移行しているような状況からも見ても、セキュリティ面の向上が見てとれます。

実際にクラウド化できる業務システムや基幹システムとは

クラウド化と言っても実際にどんな業務システムや基幹システムがクラウド化できるのかをご紹介します。 

業務システム

グループウェア

グループウェアとは、組織の中で情報共有を効率化し、業務効率を向上させるソフトウェアのことです。 

具体的な機能としては、以下のようなものが挙げられます。 

  • タスク管理
  • スケジュール管理
  • コミュニケーションツール
  • Webメール
  • ファイル共有

グループウェアで代表的なものでは、 Microsoft Office 365 や G Suite などが挙げられます。 

グループウェアは、様々な種類のものが存在していますが、グループウェアは多くの企業で利用されています。 

それだけ、企業活動の根幹を支えるものがグループウェアです。 

そんなグループウェアですが、近年ではPCだけでなくスマホで利用することの方が多くなってきています。 

それほどグループウェアの使用頻度は高まっています。 

また、テレワークの際にもコミュニケーションツールとして重宝されます。 

オンプレミスでグループウェアを運用する場合、社内PCからしかアクセスができない、VPNの専用のソフトウェアをインストールが必要であったりと、と今の時代にあったものではないでしょう。 

グループウェアをクラウド化していないという場合は、すぐにでもクラウド化するべきでしょう。 

SFA/CRM

SFA(営業支援システム)/CRM(顧客関係管理)もクラウド化できるシステムです。 

SFA/CRMは既に多くのクラウドサービスが存在しています。 

代表的なサービスは、Microsoft Dynamics 365 や Sales Clowd などが挙げられます。 

これらのシステムも、社外で使用する頻度が高いものです。 

最近のクラウド型のSFA/CRMではほとんどがスマホ対応もしていますので、営業前の移動中に確認することが簡単にできます。 

オンプレミスの場合、カスタマイズの柔軟性や強固なセキュリティなどがメリットとしてはありますが、やはりクラウドサービスに比べると利便性の面で劣ってしまいます。 

SFA/CRMもクラウド化されていない場合は、是非クラウド化することをおすすめします。

基幹システム

基幹システムとは、企業の「会計業務」「人事業務」「生産業務」「物流業務」「販売業務」などの基幹となるシステムのことです。 

基幹システムは、グループウェアやSFA/CRMに比べるとクラウド化が進んでいない傾向にあります。 

理由は様々ありますが、基幹システムはその名の通り、企業の基幹となるシステムであるがゆえに、クラウド化による運用やセキュリティに不安がある場合が多いことが挙げられます。 

しかし、近年のクラウド化の流れの中で基幹システムのクラウド化の流れも急速に早まっています。 

信頼性、安全性、可用性などの、あらゆる面で高いクオリティが求められる金融業界の基幹システムのクラウド化が進んでいる面から見ても、クラウドの安全性や利便性が向上しているのが見てとれます。 

基幹システムを全てまとめたパッケージソフトなども、非常に充実してきているので、クラウド化を機に、そういったサービスに基幹システムを集約するのも一つの選択肢としてあるでしょう。 

代表的なクラウド型の基幹システムは、 SAP ERP や Microsoft Dynamics 365 などが挙げられます。 

なかなか重い腰が上がらない基幹システムのクラウド化も、これを機に進めてみてはいかがでしょうか?

主要なインフラクラウドサービス3選

様々なクラウドサービスが存在しますが、提供するサービスによって SaaS, PaaS, IaaS と分類されます。 

今回はその中でもインフラ部分に該当するPaaSやIaaSのサービスを提供する有名なクラウドサービスについてご紹介します。 

Microsoft Azure

Microsoft Azure は Microsoft が提供するクラウドサービスです。 

その特徴は、Windows Server や Microsort Office といった様々な Microsoft 製品との親和性の高さです。 

以前はAWS がクラウドサービス市場を席巻していましたが、Azure の登場により現在では AWS に迫る勢いで拡大しています。 

AWS (Amazon Web Services)

AWS(Amazon Web Services) は Amazon.com が提供するクラウドサービスです。 

クラウドサービスの先駆け的な存在で、クラウドサービスの中でもトップシェアを誇っています。 

多種多様な機能のインフラストラクチャーサービスを有しており、クラウドに関する豊富な運用知識があるのが強みです。 

Google Cloud Platform

Google Cloud Platform は Google 社が提供するクラウドサービスです。 

Google の様々なサービスを動かすインフラストラクチャーとしても機能しており、近年伸びているクラウドサービスです。 

Gmail や Google マップ、 YouTube などを支えるクラウドサービスとして認知され、G suite などの Google サービスとの親和性の高さなどが特徴です。 

クラウド化の実際の流れ

業務システムを実際にクラウド化する際の流れについてご紹介します。

事前調査

まずは、クラウド化するもの、そしてその目的を明確にすることが必要です。 

なぜクラウド化するのか、そしてクラウド化した後にどうするのかまでをしっかりと決めなければいけません。 

その際に、具体的な目標についても決めておくと良いでしょう。 

例えば、運用コストを10%削減、業務効率化などです。 

そうすることでクラウド化する目的が明確になり、移行計画を立てやすくなるでしょう。 

計画

クラウド化する目的などが決まった後は、クラウド化する範囲を決めます。 

費用や重要度の指針をもとにクラウド化すべきものなどを洗い出し、どのような構成でクラウド化するかを決定します。 

その際に、一部のシステムは従来通りオンプレで運用していくといった、ハイブリッド型の運用方法も選択肢としてはあるでしょう。 

そして、クラウド化すべき範囲が決まったら、クラウド化するデータについても考慮する必要があります。 

セキュリティなどの観点から全てのデータを移行するのか、もしくは一部のデータは移行しないのかなどについて、決める必要があります。 

ここまでの作業がしっかりとできていないと、いざオンプレからクラウドに移行する際に様々な問題に直面してしまう可能性があります。 

しっかりと準備期間を設けた上で、最善の計画を立てるようにしましょう。 

クラウド化実施

計画が定まったら後は実際にクラウドに移行していきます。 

クラウド移行時の注意点としては、クラウド移行によって変わる部分を社員にしっかりと共有することです。 

実際にシステムを利用する社員がクラウド化によるメリットや利用方法の変化について理解していない場合、クラウド化したことによって社内での運用が上手くいかなくなってしまうかもしれません。 

そうならないためにクラウド化する際は、社員への共有や指導をしっかりと行いましょう。 

事後検証

クラウド化が終わった後は、クラウド化による効果の検証を行いましょう。 

例えば、クラウド化したけど思ったより運用費用がかかってしまっているといった課題が出てくる場合もあるでしょう。 

クラウド移行して終わりではなく、そういった課題を解決していくことで、クラウド化の恩恵を最大限に受けることができるでしょう。

クラウド化の注意点

クラウド化するメリットについては様々ご紹介しましたが、ここではクラウド化する際に気をつけるべき注意点についてご紹介します。 

ランニングコスト

クラウドサービスは、従量課金制のサービスがほとんどです。 

使用した分だけ使用量が発生します。 

不要なサーバーを稼働させていたり、あまり必要のないオプションサービスに入っているとランニングコストがかさんでしまう場合があります。 

そうならないために、システム構成をしっかりと考慮した上で、ある程度の見積もりの中で稼働できるようにしていきましょう。

オンプレミスの運用方法

クラウド移行する際に、一度に全ての業務システムをクラウド化することはあまり多くはありません。 

基本的には、クラウド化する範囲を決めて少しずつクラウド化を進めていくことが多いです。 

その場合、クラウドとオンプレミスを両立させなければいけません。 

データの連携などについて曖昧なまま進めてしますと、どちらも中途半端になってしまい、結果的に使いづらくなってしまうことになりかねません。 

ですから、クラウド化する部分とオンプレミスで運用する部分を明確にした上で、運用方法をしっかりと定めることが大事です。 

業務システムのクラウド化についてご紹介しましたが、クラウドは非常に便利なものであると理解していただけたのではないでしょうか? 

世界的に見ても、クラウド化の波は今後ますます高まっていくと思います。 

この波に乗り遅れないように、業務システムのクラウド化を進めてみることをおすすめします。

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